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民事信託って本当に有効なの?民事信託のメリットって何?

民事信託の仕組みはわかったけれども、どういったメリットがあるのか、他の相続対策とは何が違うのか?とお思いの方も多いかと思います。本記事では民事信託のメリットをわかりやすく書いていければと思います。民事信託ってそもそも何?とお思いの方は前回の記事をご覧になってからお読みくださいね!(【初級編】相続対策にオススメ!民事信託って一体何?

 

今までの相続問題〜財産は2回凍結する〜

相続問題で一番多いのは「財産凍結」問題です。

口座名義人がお亡くなりになった場合は、銀行の預金口座は凍結されてしまいます。口座が凍結されてしまえば、銀行の入出金はもちろんできなくなりますし、その口座から電気代や携帯料金などの引き落としが行われていた場合もできなくなります。口座などの財産凍結は、ご本人がお亡くなりになった時点で、個人の財産は相続人の共有財産となり、一部の相続人が勝手に引き出して他の相続人の権利が侵害されるのを防ぐことを目的として行われます。

この「財産凍結」問題は実は被相続人がお亡くなりになった場合のみではなく、生前に認知症になってしまった場合でも、その人が持っている財産が凍結します。生前に財産が凍結されていることは、意外と知られていないことが多く、これが多くの問題を引き起こします。

成年後見制度の仕組みと限界

高齢化社会が進んでいくにつれて、従来の制度では認知症に対応ができないということで「成年後見制度」という新しい制度が生まれ、現在の認知症に対する代表的な対応策となっています。しかしこの「成年後見制度」がなかなかに曲者なのです。

「成年後見制度」の目的は「財産を目減りさせず、維持管理すること」です。相続が発生するまでの間、後見人の行動は家庭裁判所の管理下に置かれてしまいます。成年後見制度を利用して後見をスタートさせるということは、すなわち全ての財産を家庭裁判所の管理下で「財産を目減りさせず、維持管理する」ということになるのですが、これが非常に厄介です。

この目的があるせいで、成年後見制度ではできることに制限がかかります。

 

上記図を見ていただければお分かりいただけると思いますが、ほぼできません(笑)後見がスタートすると「財産を目減りさせない」という観点から財産が動かせなくなってしまうのです。

事例で考えてみましょう。相続対策の一環としてよくあるケースですが、父親が自分の子供や孫に現金を贈与していたケースです。(年間110万円までの現金贈与は基礎控除の範囲内ですので非課税です。)この父親が認知症となったときは、例え認知症になる前から贈与を行なっていたという事実があったとしても、後見人の立場では贈与を継続することができなくなります。

不動産の購入もできませんので、節税対策としてよく行われている現金を収益物件に組み替えるといった対策も成年後見人制度では不可能です。認知症対策のための成年後見制度ですが、このように限界があるというのが現状なのです。

 

民事信託のメリット

先ほど述べた「成年後見制度」と「民事信託」の大きな違いは、ズバリ、財産を管理する人です。成年後見制度は家庭裁判所が財産を管理するのに対し、家族信託は家族で財産を管理することができます。家族信託のメリットを詳しく説明していきます。

【メリット1】 認知症になっても財産が凍結せず、財産の管理ができる。

家族信託は財産を一つにまとめて見るのではなく、対象となる財産ごとに財産を分けて「別々の財布の役割」を持たせることができます。その役割を家族でどのように管理していきたいのかを契約で決めていくことができます。信託契約さえしておけば、いちいち裁判所にお伺いを立てる必要がなく、認知症になったとしても自由に活用することができ、家族の負担も軽減し大幅な時間を取られることもありません。

【メリット2】相続対策でもっとも自由度が高い!?財産を思った通りに遺せる。

遺言や成年後見制度といった相続対策は先述した通り、限界がありあまり自由度が高くないのが現実です。例えば、遺言による財産の承継先の指定は1代限りです。そのためそれより先の世代にどのように財産が引き継がれていくのかをコントロールすることができません。しかしながら、家族信託では世代を超えての財産の承継先を指定することができるのです。家族信託には「条件付き贈与」という考えがあり、承継する順番や贈与を受ける方法などの条件を指定することができるからです。このように家族信託は、非常に自由度が高く、ご自身が思ったストーリー通りに財産を遺していくことが可能なのです。

【メリット3】相続の際の面倒な手間がなくなる。

皆さんは相続が発生した時に、何種類の手続きが必要になるかご存知でしょうか?その数はざっと90種類と言われています。書類手続きだけならまだしも相続には人間問題なども発生することが多く、非常にストレスがかかります。ところが、家族信託で信託契約を結んでいれば、こういった煩雑な問題から解放されます。例えば、信託契約において、財産の承継先が父親から長男と指定されている場合は、不動産の登記されている受益者の変更登記手続きだけで完了です。

【メリット4】認知症になっても本人の意思が尊重される。

家族信託は、財産を遺す側だけで行うものではなく、家族全員が一つのチームとなって進めていきます。財産の所有者や家族全員の思いを半永久的に活かせるような形で財産を管理することができるのです。メリット2でもお伝えしたように、家族信託では「条件付き贈与」という考えがあるため、例え認知症となったとしてもご本人の意思が尊重されます。

 

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