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賃貸経営での悩み…家賃滞納が起こった時の対処の流れや、やってはいけない対応をご紹介!

賃貸経営を行う上での悩みと言えば「きちんと借り手がついて満室経営ができるのか?」とお考えではないでしょうか?もちろん、賃貸経営者にとって空室は困るものですが、ある意味空室状態よりも厄介な問題と言えるのが『家賃滞納』なのです。

所有している物件が満室状態になったとしても、家賃を滞納されてしまえば、収入を得られない…と言う点でその部屋は空室と同じと考えても良いでしょう。しかも、その入居者の家賃滞納が続き、強制退去を求めるよな事態になると、最悪の場合、裁判まで発展してしまうことになり、物件所有者はさまざまな費用負担が発生してしまいます。空室は「家賃が入ってこない…」という問題があるのですが、家賃滞納は収入が得られないだけでなく、余計な費用や時間・労力までかかってしまう大きな問題にまで発展します。

それでは、ご自身が所有している物件で、家賃滞納が発生してしまった場合、どのような対応をとればよいのでしょうか?家賃滞納は、借り手側の問題行動と言えるのですが、それに感情的になってしまい、オーナー自身が無理に家賃回収に動いてしまうと、逆にオーナー側の違法行為となってしまうリスクも存在するのです。そこでこの記事では、賃貸経営を行う上で、絶対におさえておきたい、家賃滞納がおきた時の対処や、オーナー自身が行ってはいけない行為についてご紹介します。

家賃滞納が起こった時の対処について

 

それではまず、所有物件で家賃滞納が発生した時に、所有者がどういった対応をとるべきなのかについてご紹介していきましょう。ここでは、管理会社に管理を委託している前提で、最終的に強制退去に至るまでの一般的な流れについてご紹介しておきましょう。

ちなみに、自主管理している物件であれば、以下で紹介するステップについて、全てご自身で行わなければならないと考えてください。

STEP1 家賃の支払いを催促する

 

家賃滞納が発生した場合、まずは入居者に支払いの催促をすることになります。管理会社に、催促を行うように依頼しましょう。

所有物件で家賃滞納が発生した場合、管理会社から所有者に連絡が来ます。入居者に対する催促に関しては、基本的に管理会社の業務となりますので、オーナー自身が入居者に催促の連絡をする必要はありません。管理会社にきちんと対応してもらうため、「催促を依頼する」旨を伝えましょう。

その依頼を受けて、電話や訪問、催促状の送付などによって支払いの催促を管理会社が行います。この時には、「滞納した理由」「いつまでに支払うのか?」と言った事をきちんと確認するように依頼しておくのがオススメです。

STEP2 連帯保証人または家賃保証会社に連絡

 

入居者本人に支払いの催促をしたとしても、支払いのめどが立たない…という場合、管理会社から連帯保証人に連絡をすることになります。連帯保証人は、借主と同じ責任を負う義務がありますので、借主本人が家賃を支払えない場合は、連帯保証人が支払うことになります。

連帯保証人に連絡が行けば、借主本人にきちんと家賃を支払うように注意してもらえる可能性がありますし、連帯保証人に迷惑をかけられない…という心理から、その後は家賃の滞納が起きにくくなるという可能性も期待できます。

なお、家賃保証会社に加入している場合、管理会社から保証会社に連絡がいき、借主の代わりに滞納した家賃を支払ってもらうことができます。保証会社から家賃の支払いを受けた場合、その後は保証会社から借主に催促を行うことになります。

STEP3 内容証明の送付

 

家賃滞納がおきてから一カ月を経過したとしても支払いが行われない場合、管理会社に内容証明郵便などで催促を行うように依頼すべきでしょう。

内容証明郵便は、「誰がどのような文書をいつ送ったか?」を郵便局が証明してくれる郵便物の事です。この行為によって、借主に対し「いつ催促を行ったのか?」という証明を残すことができます。この行為については、家賃滞納の解決のため、借主側と交渉を行ったのにもかかわらず、解決できなかった場合に役に立ちます。話し合いなどの交渉では解決できない場合は、法的手段をとることになるのですが、その際にはきちんと催促を行っていたという履歴を提出する必要があるのです。

したがって、電話や訪問などで催促を行っても解決できない場合は、その後の法的措置の事を考えて、内容証明郵便による催促も行っておきましょう。

STEP4 法的手続き前の「任意明け渡し請求」

 

STEP1~STEP3までの行為を行ったとしても、家賃滞納が解決しない場合、入居者に退去してもらうしかありません。しかし、裁判などで明け渡し起訴を行う場合、それなりの費用がかかってしまいますし、時間もかかってしまいます。当然、その間は家賃収入を得ることができなくなってしまいますので、裁判にまで発展する前に解決したいものです。

こういった場合には、「滞納期間中の家賃支払いを免除する」ことを条件に、早期に退去してもらうよう交渉するのも一つの手です。裁判にまで発展し、強制執行による退去を考えると、時間や余計な費用負担を無くすことができますので、退去してもらう条件を検討し、任意の明け渡し請求をすることを管理会社と相談してみましょう。

一見すると、損しているように思えますが、裁判にまで発展し、長期間家賃収入を得られないことを考えれば、早期に次の入居者を探せることになるため、オーナー自身にもメリットはあると考えられます。

STEP5 法的手続き

 

任意の明け渡し請求を行ったとしても、家賃滞納問題が解決できない場合、法的手段をとらざるを得ません。なお、法的手段に訴える場合でも3つの手段が考えられますので、以下でまとめてご紹介しておきます。

  1. 支払い督促
    まずは『支払い催促』という手段です。これは、借主に対して裁判所から送付される催促状になります。裁判を起こさずに、書面のみでの催促となるため、費用がおさえられるのがメリットです。支払い催促は、最終的に財産の差し押さえまで出来る可能性がありますので、滞納者に支払い能力があるというケースでは役に立つでしょう。ただし、そもそも支払い能力がないために家賃滞納が起こっている…という場合、差し押さえを行っても債権を回収できない可能性が高いので、あまり効果的ではありません。
  2. 少額起訴
    次は『少額起訴』という手段です。60万円以下の金銭の支払いを請求する手続きで、原則1回の審理で判決が言い渡されるなど、スピーディーに事が進むのがメリットです。こちらも、最終的には強制執行による差し押さえをできる可能性があるのですが、上述した理由と同じく、そもそも支払い能力がない滞納者に対してはあまり意味がありません。
  3. 明け渡し訴訟
    最後は『明け渡し訴訟』という手段です。家賃滞納者に支払い能力がない、家賃を支払う気がないなどといったケースでは、すぐに退去してほしいのがオーナー側の考えです。したがって、こういったケースでは強制退去してもらうしかなく、それを求める手続きが『明け渡し起訴』となります。なお、この手段の場合、上記2つの手段よりもかなり労力がかかると考えておきましょう。『明け渡し訴訟』は、借主の住居を奪う起訴になるため、1回で判決が出ることはなく、半年ほどの期間がかかり、費用も50万円程度はかかると言われています。ちなみに、裁判によって強制退去が認められる大まかの条件は「3カ月以上など、長期の家賃滞納」「借主に支払いの意思がないとみられる場合」「賃貸人と賃借人の信頼関係が既に壊れている」などです。つまり、家賃滞納が1、2か月の場合や、分割での支払いを希望しているなど、借主側に支払いの意思がある場合などは強制退去させられない…なんてことも考えられます。

家賃滞納を法的手段による手続きで解決する場合、上記のような手段が考えられます。滞納者に支払い能力があるという場合には、支払い催促や少額起訴という手段が良いかもしれませんね。

家賃滞納発生時にオーナー自身がやってはいけないこと

 

ここまでの説明で分かるように、管理会社に管理を委託している場合、オーナー自身が意思決定をする必要があるものの、入居者とのやり取りは管理会社に依頼するのが一般的です。しかし、感情的になってしまうなど、何らかの理由でオーナー自身が解決に動いてしまう…ということも珍しくありません。

しかし、こういった行為が余計なトラブルを誘引してしまうリスクがあると覚えておきましょう。ここでは、家賃滞納発生時に、オーナー自身が絶対にやってはいけないことをご紹介します。

①深夜や早朝に催促の電話や訪問をしてしまう

 

家賃滞納が発生した時に、オーナーが催促すること自体は正当な行為です。しかし、催促の方法には十分に注意しなければいけません。

例えば、脅迫じみた催促を行ってしまうと、逆に違法行為とみなされてしまう場合があります。他にも、「確実に在宅している時間を狙う」などと言った理由で、早朝や深夜に電話や訪問で催促を行う行為もNGです。貸金業法などでは、「正当な理由がなく、午後9時から午前8時までの社会通念上不適当と認められる時間帯に債務者等に電話をかけ、もしくはファクシミリ装置を用いて送信し、または債務者の居宅を訪問すること。」を禁止しており、実際に深夜0時過ぎまで催促が行われたことに対し、慰謝料請求が認められたという判例もあるのです。

こういったリスクがあることから、家賃滞納に対する催促などは、オーナー自身が行うのではなく、管理会社に任せておく方が安心です。

②同じ日に何度も催促の連絡をする

 

家賃を滞納されているオーナー側からすると、当たり前の行為のように思えますが、上述のケースと同様に、脅迫じみた催促とみなされてしまう恐れがあります。同じ日に、許可もなく何度も訪問をしたり、数時間内に何度も電話したりする行為はNGです。

③玄関ドアなどに張り紙をする

 

周囲の第三者に家賃滞納が分かってしまうような催促方法は、違法行為とみなされてしまいます。

④連帯保証人以外に催促する

 

家賃滞納者の親族など、近しい人物がわかっている場合でも、連帯保証人以外であれば、催促をする行為はNGです。

⑤滞納者の会社や学校に連絡する

 

テレビドラマなどでこういった行為が行われる場面が良くあるのですが、実際には家賃滞納者の学校や勤務先に連絡して、催促を行うような行為も違法行為となります。この行為は、債務に関する事実を第三者に明らかにする行為になりますので、やってはいけません。

⑥無断で入室する

 

家賃を滞納されている場合でも、無断で入室することはNGです。自分の所有する物件だから…など関係なく、住居侵入罪に問われてしまう可能性があります。

⑦勝手に部屋の物を持ち出す

 

長期間の家賃滞納者が出てしまうと、入居者がいない間に、室内にあるものを勝手に持ち出したり、捨てたりすることも考えられますが、こういった行為は絶対にやめましょう。ご自身が所有する物件であっても、このような行為は「自力救済禁止の原則」に違反してしまいます。

「自力救済禁止の原則」は、権利を実現するために強制力を行使する場合、原則として裁判などの法的手続き行わなければならないというものです。これを無視してしまうと、オーナー側の違法行為となります。家賃を支払わないのだから「追い出したい」という気持ちは分かりますが、きちんと法的手続きを行わなければ、逆に器物損壊罪や窃盗罪とみなされてしまう場合があります。

⑧勝手に鍵を変える

 

これも「自力救済禁止の原則」に違反する行為になります。賃貸契約書などに、「家賃滞納が起こった場合、賃貸人が鍵を交換できる」などという特約を記載していたとしても、実際にはその規定が無効になってしまう可能性が高いようです。

過去の判例では、家賃滞納の場合はカギを交換するという賃貸借契約条項に基づいて鍵交換を行ったものの、「借主の物件使用を阻害した」ということで、貸主と管理会社に損害賠償が認められたというケースもあります。

まとめ

 

今回は、賃貸経営での大きな悩みとなる家賃滞納が発生した時の対処についてご紹介してきました。管理会社に管理を依頼している場合であれば、オーナー側の意思決定が必要にはなりますが、対応自体は全て行ってもらうことができます。逆に言うと、オーナー自身が家賃滞納の解決に動いてしまうと、余計なトラブルを発生させてしまう恐れもあると考えておいた方が良いでしょう。

賃貸経営では、さまざまな法律が関わってきますので、全てを自分の知識だけで対処するのはなかなか難しいものです。こういった時には、賃貸経営のプロの存在が本当に心強いものになりますので、管理を任せられる専門業者を探しておくのがオススメですよ。

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