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生前贈与って得なの?そもそもどのような種類があるのか知っていますか?

平成27年に相続税の基礎控除が改正され、相続税を支払うケースが増加しています。さらに、支払う税額も増大していることから、相続税の節税対策を検討する方が増えています。このような相続税の節税対策として注目されている手法として、『生前贈与』というものがあるのですが、生前贈与と言われても、その概要や仕組みがいまいち分からず「本当に得なのかな?」と疑問に思ってしまう方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、近年の節税対策として注目されている生前贈与について、その種類や仕組み、さらにこの制度を活用する場合の注意点などを簡単にご紹介していきます。

生前贈与の種類について

 

生前贈与とは、生きている間に財産を贈与することを指しています。近年では、『暦年贈与』と呼ばれる手法が注目されていますが、生前贈与にも種類が存在しますので、ここでは代表的な二つの手法について簡単に解説してきます。

●暦年贈与について
まずは上述した暦年贈与についてです。この手法の概要は以下のような感じです。

  • ☑ 贈与者:どなたでもOK
  • ☑ 受贈者:どなたでもOK
  • ☑ 控除の種類:基礎控除(1人につき年間110万円)
  • ☑ 税率:10~55%(贈与額によります)

相続時の扱いの注意点としては、相続開始前3年以内の贈与財産は、相続財産とみなされるということです。

●相続時精算課税制度について
次はあまり馴染みがないかもしれない『相続時精算課税制度』です。この手法の概要は以下のような感じです。

  • ☑ 贈与者:60歳以上
  • ☑ 受贈者:20歳以上の子・孫
  • ☑ 控除の種類:特別控除(2,500万円まで)
  • ☑ 税率:特別控除(2,500万円)を超えた部分に一律20%

『相続時精算課税制度』では、贈与財産の全額が相続財産に加算されますので注意しましょう。なお、課税された贈与税額は控除されます。

生前贈与の代表的な手法は上記の手段となります。それでは、それぞれの手法ごとのメリット・デメリットを以下でご紹介していきましょう。

暦年贈与のメリット・デメリット

 

まずは暦年贈与のメリットとデメリットを簡単にご紹介していきましょう。この制度は、1月1日~12月31日の1年間に「1人につき合計110万円以内の贈与」であれば、非課税になるという制度です。この制度を活用すれば、非課税で財産を譲る事ができます。暦年贈与は、「1人につき110万円まで」ですので、10人に暦年贈与を行えば、毎年1,100万円もの財産を非課税で譲る事ができますので、かなりのメリットになると思います。
なお、上述したように、相続開始前3年以内の贈与分に関しては、相続時の財産とみなされてしまいますので注意が必要です。

暦年贈与のメリット

 

暦年贈与を活用するメリットは、相続財産を減らして相続税の節税ができると言う点です。上述したように、「1人につき合計110万円以内」であれば非課税で贈与が可能になりますので、保有している財産を徐々に減らして、相続時の相続税を減額することが可能になるのです。

暦年贈与のデメリット

 

暦年贈与のデメリットとしては、自分たちは暦年贈与しているつもりでも、贈与の仕方の問題などで『定期贈与』とみなされてしまう恐れがある点です。定期贈与は、「一定期間において一定額の贈与を行うこと」を指しており、定期贈与とみなされてしまった場合には、それまでに贈与した金額に対して、通常の贈与税がかかってしまい、節税の意味がなくなってしまいます。

相続時精算課税制度のメリット・デメリット

 

次は『相続時精算課税制度』です。これに関しては、贈与した財産が2,500万円までは非課税になり、それ以上は「一律20%」の税金が課せられるという制度になります。贈与できる金額が非常に大きく見えますので、大きなメリットがありそう…と考えますが、見落としてはいけない注意点もありますので、以下で紹介するメリット・デメリットはきちんと押さえておきましょう。

相続時精算課税制度のメリット

 

相続時精算課税制度は、上述の通り、「2,500万円までの贈与は非課税」となる制度です。ただし注意が必要なのは、贈与した財産について「税を相続時に先送りにする制度」だと言う点です。つまり、この制度に関しては、相続時に結局のところ相続税がかかってしまう訳です。これを聞くと「意味のない制度では?」と考えてしまった方も多いかもしれませんね。

しかし、この制度は、以下のようなパターンでは非常に有効な制度と言えます。

  • ☑ 将来的に評価が上がる場合には節税になる
  • ☑ 相続時の基礎控除が大きい

どういうことかというと、土地などを相続する場合、将来的に再開発の可能性などがあるのであれば、相続時に現在よりも土地価格が高騰してしまい、相続税が高くなる可能性がありますよね。このような場合、相続時精算課税制度を活用していれば、土地の評価は贈与時にされていますので、将来的な土地価格高騰による税額のUP分を節税できるわけです。
さらに、相続税は贈与税よりも基礎控除額が大きいため、相続時の基礎控除(※1)に収まるのであれば、非常に大きなメリットになります。贈与税の基礎控除は110万円ですので、相続時精算課税制度を活用することで、高額な贈与税がなくなり、相続時に全額基礎控除できるなんて状況を作る事ができるかもしれません。

※1相続時の基礎控除・・・「基礎控除3,000万円+法定相続人×600万円」

相続時精算課税制度のデメリット

 

相続時精算課税制度のデメリットは、上述したように、贈与した財産は「相続時に先送りにされただけ」だと言う点です。この制度を活用して贈与した場合、その時点では贈与税などは発生しませんが、相続時に財産としてカウントされます。また、これを利用すると、暦年贈与制度が利用できなくなるという点も注意が必要です。

まとめ

 

今回は、相続税の節税対策として注目されている生存贈与の仕組みについて簡単にご紹介してきました。この記事でご紹介した以外にも、生前贈与の特例がありますが、そちらについてはまたの機会にご紹介させていただきます。

なお、暦年贈与にしても相続時精算課税制度を利用するにしても、いくつかの注意点がありますので、しっかりと制度の概要などは学んでから行うべきだと言えるでしょう。特に暦年贈与に関しては、毎年同じ時期に同じ金額を贈与していた場合、定期贈与とみなされてしまい、贈与税がかかってしまう…なんてリスクも存在します。
日本の税制は、かなりややこしい部分がありますので、活用時には専門家に相談するのがオススメですよ!

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