Mirai Lab.賃貸経営の未来を作るコラム

満室経営を実現するなら、入居者のペットは受け入れるべき?

近年では、もともと「ペット不可」としていた物件でも、今後はペットを受け入れるべきかどうかを真剣に検討していく必要があると言われています。少子高齢化が進む日本では、今後、人口が減少していくと予測されているため、賃貸物件の入居者獲得競争はさらに過酷になっていくと考えられます。したがって、どのような物件だとしても、何の対策も打たずに同じやり方を続けていたのでは、いずれ入居者の獲得が難しくなってしまう訳です。

そこで現在では、近年のペット人気にあやかりたいと、他の物件との差別化を行うために『ペット可』による空室対策に乗り出すというオーナー様が多くなっているようです。それでは、これまで「ペット不可」としていた物件が、ペット可にするメリットとデメリットはどのようなことが考えられるのでしょうか?
この記事では、現在の日本における簡単なペット事情と、ペット可に変更する場合の注意点などをご紹介していきます。

コロナ禍の現在、ペット需要が高まっている!

 

それではまず、日本国内における現在のペット事情について簡単に解説しておきます。平成30年に一般社団法人ペットフード協会が「全国犬猫飼育実態調査」を行い、全国犬・猫推計飼育頭数を公表しています。このデータによると、日本国内では、犬が890万3000頭、猫が964万9000頭飼育されており、なんと合計で約1854万頭もの犬・猫がペットとして飼われているそうです。さらに、この調査では、飼育世帯率なども公表されており、犬が12.64%、猫が9.78%となっています。もちろん、犬や猫以外にも爬虫類や熱帯魚、ウサギやハムスターなど、他の動物をペットとして飼っている方もいるでしょうし、よく言われている「日本では3世帯に1世帯がペットを飼育している!」という情報が事実なのだと理解できます。

このように、かなり前からペットを飼育している方が多かった日本ですが、新型コロナウイルスの影響もあり、昨年から新たにペットを迎える方が増加していると言われています。ペットフード協会が2020年末に公表したデータによると、2020年内に新たに飼われた猫と犬が計約95万頭もの数になっており、前年比で約15%増と非常に顕著な伸びとなっているのです。
これは、新型コロナウイルスの影響で、外出自粛が求められたことで在宅時間が増加したことが要因だと考えられるでしょう。

日本国内のペット事情を考えてみると、「ペット不可」の物件が「ペット可」にすることで、空室状態を解消できる可能性は大いに考えられます。しかし、賃貸物件の大手検索サイトなどで確認しても、ペット可物件の割合は首都圏などで10%前後で、地方都市となれば5%前後にまで下がってしまいます。(※ペット可物件の正式な統計データは現状ないようです。)ペット需要が非常に高い日本国内で、ペット可の賃貸物件がそこまで多くないのはなぜなのでしょうか?
以下で、賃貸物件を『ペット可』とする場合のメリットとデメリットについて簡単にご紹介しておきます。

『ペット可』にするメリット

 

それではまず、「ペット可」にすることのメリットからご紹介していきましょう。

入居希望者の母数が増加する

 

ペット不可の物件がペット可にすれば「ペットを飼っている人、ペットを飼っていない人」どちらも関係なく入居できますので、募集する入居希望者の幅が大きく広がるというメリットが得られます。実際に、空室率が高い物件で、ペット可に切り替えるだけで入居率が向上したという事例は非常に多いです。
入居条件の緩和は、リフォームなどの追加投資なしで出来る空室改善対策です。

長く住んでもらえる可能性が高い

 

上述したように、ペットを飼育している方が多い日本ですが、「ペット可」物件の供給数は少ないと言えます。したがって、ペットを飼っている方であれば、他の物件に引っ越したいと考えても、受け入れてもらえる物件を見つけるのがなかなか難しいのが現状なのです。実際に、不動産屋でペット可物件を紹介される確率が低いのは、ペット可物件の契約継続率が高いせいだとも言われています。

つまり、ペット可にして入居してもらえた場合、長期間住んでもらえることが多く、安定的な家賃収入が見込めるというメリットがあります。また、ペットを飼っている入居者は、「ペットと一緒に暮らせるか?」を重視する傾向にあるため、「駅から遠い・エレベーターがない・日当たりが良くない」など、その他のデメリット面は目を瞑ってくれる場合が多いです。
実際に、「ペット不可」では、近隣の賃貸物件との競争に勝てない物件でも、ペット可にすることで勝てるようになる場合もあるようです。

入居者との交渉が容易になる

 

入居希望者が「家賃を少し下げてほしい…」などと交渉をすることも珍しくありません。しかし、ペット可の物件であれば、「ペットが壁紙や床などを傷つける可能性がある」と言う点から、賃料の減額には応じられないということに納得してもらいやすいです。

さらに最近では、ペットと一緒に入居する場合は、家賃5000円UPとするなど、オーナー側に有利な条件を付けている物件も増えています。

『ペット専用』とすれば付加価値がつく

 

ペット可ではなく、ペットを飼っている人でしか住めない『ペット専用』にすることも一つの手だと思います。「ペット可」で、ペットを飼う人と飼わない人が共存している場合、騒音トラブルが発生する可能性を否定できません。しかし、ペット専用にして、全ての入居者がペットを飼っていれば、「お互い様」の問題ですので、騒音トラブルの心配などはなくなるでしょう。

また、入り口にペットの足洗い場や屋上に簡易のドッグラン、室内に猫棚などを設置すれば、他の物件と差別化できる大きな付加価値が得られるでしょう。

『ペット可』にするデメリット

 

それでは『ペット可』物件のデメリット面もいくつかご紹介しておきます。

退去時のトラブルが多い

 

賃貸物件では、敷金や原状回復に関するトラブルが多く、毎年国民生活センターには多数の相談が寄せられると言われています。そして、国民生活センター調べによると、賃貸物件でのこういった退去時トラブルでは、ペット飼育によるトラブルが最も多いそうです。

ペットを飼育する場合、どうしても匂いが部屋についてしまいますし、通常の清掃では取りきることも難しいです。また、壁や床などに関しても、ペットが傷つけてしまうことが多いですし、退去後の原状回復に多額のコストがかかってしまうことになるのです。そのため、ペット可の物件でも、ペットと一緒に入居する場合は、敷金を多くとるケースが多くなり、退去時にその敷金が返ってこないことなどを理由にトラブルに発展してしまうケースが多くみられます。

ペットに関するこのようなトラブルは、オーナーにとって非常に大きなリスクとなってしまうため、「ペット可」物件がなかなか増えないのだと考えられます。

他の入居者の退去につながるかも…

 

新築で、最初から「ペット可」物件として入居者募集を行っていた場合、ペットを飼っていない人もペット連れの入居者に対する理解があります。

しかし、途中から「ペット可」とした場合には、注意が必要です。世の中にはさまざまな考えを持つ人が存在しますし、ペットの声や足音が気になり眠れなくなる人、猫や犬に強いアレルギーがある人などもいるのです。そのため、空室改善のために安易に「ペット可」に変更した場合、もともと住んでいた入居者と新たにペット連れで入居した人とのトラブルが発生してしまう可能性が否定できません。最悪の場合、空室改善が目的なのに、従来の入居者も退去してしまい、空室が増えてしまう…なんて危険もあると考えましょう。

「ペット不可」に戻すのは難しい

 

空室改善対策として「ペット可」という入居条件の緩和を行う場合、何らかの問題が生じたら「すぐにペット不可にすれば良い!」なんて考えてしまうのは危険です。一度ペット可にした物件は簡単にペット不可に戻せないと考えておきましょう。

ペット不可に戻す場合には、ペットを飼っている入居者全員に出て行ってもらわなければいけませんし、その後は、ペットによる汚損を清掃、修繕しなければいけません。これは、居室のみではなく、共用部に関しても汚損が考えられますので、大規模な修繕が必要になると考えなければいけません。
つまり、安易にペット可に変更してしまうと、将来的に莫大な費用がかかってしまうリスクがあるということです。なお、ペットを受け入れた場合、共用部にペットの糞や尿が放置されてしまう…なんてことも考えられますので、オーナーや管理会社が清掃業務などの負担が大きくなる場合がほとんどです。

まとめ

 

今回は、リフォームなどの追加投資なしで、最も手軽にできる空室改善対策と言われる「物件をペット可にする」ことについてご紹介してきました。この記事でもご紹介したように、ペットを飼育する方が非常に多い日本国内ですが、「ペット可」の物件に関しては、非常に少ないのが現状なのです。したがって、物件の空室対策だけを考えた場合には、他の物件との差別化が可能になり、大きな効果が見込めるのは事実だと思います。

しかし、もともと「ペット不可」だった物件が、途中で「ペット可」に変更する場合、従来の居住者とのトラブルも考えられますので、慎重に検討すべきでしょう。他にも、ペット連れの入居者は、退去時にトラブルになることが多いと言われていますので、安易にペット可にしてしまうと、オーナーや管理会社の手間だけ増えて、空室率の改善につながらなかった…なんて危険も考えられます。

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