Mirai Lab.賃貸経営の未来を作るコラム

アパートを相続することになった!憧れの不労所得の前に多額の税金支払いが必要!

近年では、相続対策を目的として賃貸アパートなどの経営を始める方が増えています。賃貸アパートの経営を行っている間は、不動産収入が得られるわけですので、それに対する税金を始めとして、固定資産税など、毎年多くの税金を支払わなければいけません。この税金に関しては、不動産経営をしている方であれば、「当然のこと」と受け入れていることだと思います。

しかし、現所有者に何らかの問題が生じてしまい、賃貸アパートを相続することになった人であれば、賃貸アパートの経営で得られる『不労所得』のことばかり考えてしまい、相続に伴って発生する税金のことが頭から抜け落ちてしまう場合があるのです。誰もが憧れてしまう『不労所得』ですが、将来の利益のことばかりを考えて、足元の支出を無視してしまうと、アパート経営どころの話ではなくなってしまう恐れがあります。

そこでこの記事では。近い将来、アパート相続の可能性を持っている方に向け、実際にアパートを相続する際に発生する可能性がある税金の種類をご紹介していきたいと思います。

アパートの相続で発生する可能性がある税金の種類

 

それでは、アパートなどを相続する場合に課せられる税金の種類をあげていきたいと思います。なお、相続の方法などによっては課せられるものと課せられないものが変わってしまいますので、しっかりと頭に入れておきましょう。

①相続税

 

相続する時に課せられる税金としては『相続税』が有名ですね。なお、相続税に関しては、生前贈与する場合と死後相続する場合で、状況が変わりますので、それぞれについて簡単にご紹介しておきます。

■生前贈与の場合
まずは生前贈与の場合から見ていきましょう。生前贈与は、本人が亡くなる前に財産を贈与しておくことを指すのですが、生前贈与することで、相続税の負担が少なくなったり、アパート経営に関しては、管理の仕方などを教えてあげられるというメリットがあります。ただし、生前贈与の場合でも、贈与税がかかります。

贈与税は、「毎年110万円の基礎控除枠」が用意されているということが有名です。この制度を使って、毎年110万円前後を贈与し、相続するアパートの納税資金として用意しておくことも可能です。また、60歳以上の父母から20歳以上の子への贈与については、「相続時精算課税制度」を利用することも可能です。

相続時精算課税制度の適用が受けられると、2,500万円までの財産は非課税となり、それを超える部分に一律20%の税率になります。相続時精算課税制度の適用を受けて贈与した財産については、相続時に相続財産と合算する必要があるのですが、物件の評価額は贈与時の地価となるため、相続時に土地の時価があがっていると予想できる場合は、大きな節税効果を期待できます。

なお、1度相続時精算課税制度の適用を行うと、110万円の基礎控除が使えなくなるので、その辺りは注意しましょう。早めに、110万円の基礎控除を使って贈与を行うことで、受贈者は早くから賃貸収入を得ることができるだけでなく、相続財産が増えるのを防ぎ、生前から納税資金を用意しておくということが可能です。

■死後相続の場合
死後にアパートの相続を受ける場合、物件の評価額に対して税率が課せられます。ただし、賃貸用アパートの場合は、借地権割合に応じて減額を受けられます。この減額の制度は、財産を相続するにしても、実際の物件は「入居者が利用している」という点を鑑みて、その分の資産価値を減額してもらえるというものです。

具体的には、以下の計算式で評価額が算出されます。

●アパートが建っている土地の評価額・・・更地の評価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)
●建物自体の評価額・・・建物の評価額×(1-借地権割合×賃貸割合)

ちなみに、借地割合に関しては、地域によって違いはあるものの「60~70%」に設定されることが多く、借家権割合は30%となるのが一般的です。
死後相続の場合は、上述の計算式を当てはめて評価額を算出し、そこに税率が課されます。

②不動産取得税

 

次は『不動産取得税』です。不動産取得税は、不動産を取得した者に対して課せられる1回限りの税金です。なお、「相続した」場合にはこの税金はかかりませんが、生前贈与を受けた場合には納める必要があります。

不動産取得税は、土地、建物ともに、住宅用地(賃貸アパートなどを含む)の場合は軽減措置が設けられています。ただし、税率は固定資産税評価額の3%と意外に高く、取得する物件によっては納税額が数百万円単位になってしまう場合もあります。
したがって、賃貸アパートの相続に関しては、不動産取得税の支払額なども含めて「生前贈与と相続ならどちらが少ない負担なのか?」を慎重に判断しなければいけません。

③固定資産税・都市計画税

 

相続などで不動産の所有者になった場合、固定資産税や都市計画税(物件が市街化区域内にある場合)を納めなければいけません。

税率に関しては、「固定資産税が固定資産税評価額の1.4%」「都市計画税が固定資産税評価額の0.3%」となっているのですが、どちらの税金も住宅用地(賃貸アパートなどを含む)の場合は軽減措置が設けられています。ちなみに、固定資産税や都市計画税は、「毎年1月1日時点の所有者に課せられる」ものですので、所有者が死亡した年については、被相続人が納税義務者となります。もちろん、固定資産税・都市計画税に未払いがある時には、相続人が代わりに納付しなければいけません。

④所得税

 

賃貸アパートを相続して、収入が生じた時には、その利益額に応じて所得税を納める必要があります。賃貸アパートから生じる収入は、不動産所得として計算されます。

他に仕事を持っている方などは、給与所得と不動産所得を合算したうえで、所得税を支払います。所得税は、所得が高ければ高くなるほど税率の高くなる累進課税制度がとられており、最大で税率が45%にものぼってしまいます。したがって、賃貸アパートからの収益が大きい場合は、法人化なども検討すべきでしょう。

不動産所得に対する所得税は、翌年に確定申告して納めることになります。

⑤住民税

 

こちらも相続したアパートの経営を行い始めた後にかかる税金です。賃貸アパートから生じた利益には、住民税も課されます、住民税に関しては、上述した所得税の確定申告をしていれば、自動で計算されることになっています。ちなみに、住民税の税率は、一律で10%で、高所得者になると、所得税と合わせて55%もの税率になってしまうのです。

所得税や住民税の支払いはタイムラグがありますし、何らかの理由で突然空室が重なり、収益が大きく低下してしまった…なんて場合でも、好調だった年の所得税と住民税が請求されてしまうので、きちんと納税資金を準備しておくことが大切です。

⑥法人税

 

最後は法人税です。これは個人事業主として賃貸アパートの経営を行っているという方には関係ありません。例えば、賃貸アパートからの収入が想像以上の大きいという場合、法人化して税金の支払額を抑えるなんて対策は良く行われます。
他にも、もともと法人として賃貸アパートを所有しており、その法人を相続したという場合は、法人税を納めなければいけないわけです。法人税の表面税率は、「20%後半~30%前半」となっていますので、所得があまりに大きくなるのであれば、法人化したほうが納税額が少なくなるのです。

自信があるから公開します

当社管理物件の驚異の入居率

94.29%
1月
94.67%
2月
97.51%
3月
96.51%
4月
95.52%
5月

当社管理物件の入居率を見る +

アパートを相続する際に知っておきたいこと

 

ここまでの説明で分かるように、アパートを相続する際には、将来の不労所得に夢を膨らませるだけでなく、「多額の税金を支払わなければならない…」という現実も見なければいけません。ここでは、賃貸アパートなどを相続する方がおさえておきたいポイントをご紹介しておきます。

「小規模宅地等の特例」について

 

賃貸アパートなどを相続する場合、国が用意してくれている節税・減税対策に活用できる制度をきちんと知っておくべきでしょう。例えば、「小規模宅地等の特例」を活用することで、相続時に大きなメリットを得ることができます。

「小規模宅地等の特例」は、賃貸アパートが建っている土地について、その面積の内200㎡までは、50%の減額を受けられるという制度となっています。参考として、価格が1億円で面積が400㎡の賃貸アパートを相続する場合を計算してみます。

●小規模宅地等の特例による減額・・・1億円×(200㎡÷400㎡)×50%=2,500万円
●相続財産の評価額・・・1億円-2,500万円=7,500万円

上記のように、減額幅もかなり大きな特例ですので、ぜひ活用しましょう。なお、「小規模宅地等の特例」は、賃貸事業に供している土地に適用されるもので、空室がある部分については除外されてしまうという点は注意してください。基本的には、空室になった直後から入居者募集をしているような場合は、賃貸事業を継続していると判断され、特例の適用を受ける事が可能だと言われています。この辺りの専門知識に関しては、税理士や最寄りの税務署に相談すると良いでしょう。

相続税は増税されている

 

相続税は、2015年に基礎控除が『5,000万円+1,000万円×法定相続人の数』から『3,000万円+600万円×法定相続人の数』に変更されるなどかなりの増税が行われています。この変更により、それまでは納税する必要が無かった人まで納税の必要性が出てくるなど、一時期かなりの話題になりましたね。

さらに、2020年には「配偶者居住権の創設」や「被相続に(亡くなった方)の介護で貢献した親族による金銭要求が可能になる」など、相続税法がかなり大きく改正されています。少子高齢化の進む日本では、相続や贈与に関する法律が今後も続けて改正されていくと予想できますし、この辺りの法律は、小まめにチェックしておくのがオススメです。

まとめ

 

今回は、将来的に賃貸アパートを相続するかもしれない…という方が頭に入れておきたい、相続後に支払わなければならない税金の種類をご紹介してきました。

賃貸経営は、「不労所得が得られる!」など、憧れている方も多いのですが、当然、お金が入ってくればその分支払わなければならない税金は大きくなってしまいます。相続で賃貸アパートを手にする場合、「アパートを建てるまでの苦労」を経験していないことから、単に不労所得が毎月入ってくるとだけ考えてしまうような人も少なくないでしょう。

しかし、賃貸アパートの相続は、この記事でご紹介したような、さまざまな税金を支払わなければいけませんし、それ以外にも建物を維持していくためのメンテナンスにも多額のコストがかかってしまいます。正直な話、相続を予定している物件の状況によっては相続放棄したほうが良いのでは…と思えるような場合もありますので、あまり簡単に考えない方が良いですよ!

執筆スタッフ株式会社アイ・ディー・シー広報

株式会社アイ・ディー・シー広報のMです。
当サイトのコンテンツにつきましては在籍のCPM米国認定不動産経営管理士、不動産コンサルティングマスター、賃貸不動産経営管理士、宅地建物取引士、相続支援コンサルタント、住宅ローンアドバイザー、ファイナンシャルプランナーの監修のもとで質の高い情報をお届けできるよう、日々更新しております。

  • TOP
  • ブログ
  • アパートを相続することになった!憧れの不労所得の前に多額の税金支払いが必要! | 株式会社アイ・ディー・シー