Mirai Lab.賃貸経営の未来を作るコラム

強制退去が可能な入居者トラブルってどんなの?

賃貸アパートを経営している方にとって『空室を埋める!』ということは、非常に重要なポイントで、常に空室対策のことが頭の中にある…という方は多いですね。空室が生じてしまうと、本来得られるはずの家賃収入がなくなってしまう訳ですので、賃貸経営者にとって『空室』が大きな悩みとなるのは当然のことだと思います。

しかし実は、空室以上に賃貸オーナー様を悩ませる大きな問題が、入居者の中のトラブルメーカーがいる…という問題です。例えば、家賃をきちんと支払ってくれないなどという入居者がいれば、その部屋は空室になっているのと同じですので、大家さんの大きな悩みとなってしまいます。さらに問題となってしまう入居者の中には、騒音を出す…ゴミ出しルールを守らない…など、他の入居者にまで迷惑をかけてしまうというトラブルメーカーのことも考えなければいけません。家賃滞納は、大きな悩みになりますが、あくまでも当事者間の問題で、騒音をまき散らす、ゴミ出しルールを守らずゴミ置き場が不衛生になる…なんて状態になると、他の入居者まで満足度が下がってしまい、退去者が続いてしまう…なんて状態になってしまうかもしれません。

それでは、こういったトラブルメーカーがいた場合、大家さんはどのような対処をとれば良いのでしょうか?真っ先に思い浮かぶのは「他の入居者に迷惑をかけるのであれば、強制退去をしてもらう…」という対応ですが、現在の日本の法律では、入居者の居住権が非常に強いことから「そう簡単に強制退去などさせられない…」なんて情報を耳にすることも多いですよね。そこでこの記事では、どういったトラブルの場合、強制退去に動くべきか、また、その手順はどうすれば良いのかについて解説します。

トラブルメーカーでもそう簡単に強制退去はできない

 

賃貸アパートなどを経営している大家さんの中には、空室に悩んではいないけど、トラブルを引き起こす入居者に悩まされている…という方は珍しくありません。もちろん、一口にトラブルと言ってもさまざまな物が考えられ、家賃滞納に始まり、ペット不可物件でのペット飼育や騒音、入居者ルールの無視などさまざまなことが考えられます。

こういったトラブルを引き起こすような入居者でも、大家さんや管理会社による注意でトラブルを再発させないような方もいて、その場合は一時的なトラブルで終わります。しかし、中には何度注意してもトラブルが収まらず、そのトラブルが他の入居者にも悪影響を与えるようなものであれば、入居者の満足度が下がってしまい、退去者が増えてしまうことで、賃貸経営の収支を悪化させてしまう…という事態に発展してしまう恐れがあるのです。

当然、賃貸借契約の決まりでは、こういった一方的に賃貸経営を悪化させてしまう…というような事態を回避するため、トラブルメーカーとなっている入居者に対して、大家さんが賃貸借契約の解除や強制退去を求めるということができると決められています。強制退去は、起訴によって入居者に対し、強制的に退去してもらうことを勧告する方法となるのですが、実は、トラブルがあったからと言って、即座に賃貸借契約の解除をしたり、起訴をすることはできないことになっているのです。

さらに、手順を無視して、いきなり賃貸借契約の解除や、鍵交換などによる強制退去措置などを実行してしまうと、なんと大家さん側が罪に問われてしまう恐れまであるのです。したがって、賃貸経営を行う場合には、「トラブルを引き起こす入居者がいるかも…」ということを想定して、どのような時、どのような手順を踏めば賃貸借契約の解除や強制退去が実行できるのかを知っておく必要があると考えてください。

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どんなトラブルなら強制退去を検討すべきか?

 

それでは、入居者に対し賃貸借契約の解除や強制退去を検討するというようなトラブルとはどのようなものが考えられるのでしょうか?賃貸経営を行う場合、全ての入居者が常識的な人とは限りませんし、本当にさまざまなトラブルが発生する危険があります。
そして、どのようなトラブルだとしても、「トラブルが生じた!」という理由で、即座に賃貸借契約の解除や強制退去を求めることはできないと考えてください。ここでは、賃貸経営上、よくあるトラブルをいくつかご紹介しておきます。

家賃滞納

 

賃貸オーナー様の頭を悩ませるトラブルとして真っ先に思い浮かぶのが『家賃滞納』ですね。家賃滞納は、賃貸経営の収支に大きな影響を与えるものですので、すぐに対応しなければいけません。ただし、1、2カ月の家賃滞納があったからと、即座に強制退去を求めるようなことはできません。まずは、家賃滞納状態を解消してもらえるように、口頭や文書などで求める必要があります。

それでもなお、家賃滞納状態が解消されない場合、内容証明郵便にて「○日の期日までに家賃の支払いがない場合、賃貸借契約の解除を行う」という旨の内容を送付します。そして、期日までに家賃滞納状態が解消されなかった段階で、ようやく強制退去を求める起訴に進むといった感じです。なお、裁判自体も数カ月単位の時間がかかります。

関連:賃貸経営での悩み…家賃滞納が起こった時の対処の流れや、やってはいけない対応をご紹介!

騒音トラブル

 

さまざまなライフスタイルを持った人が、同じ建物内で暮らすことになる集合住宅では、騒音トラブルの危険が非常に高いです。特に、コロナ禍で在宅時間が長くなっている昨今では、生活音を原因とした騒音トラブルが急増していると言われています。なお、騒音トラブルについても、その原因はさまざまです。

騒音トラブルに関しては、ほとんどの場合、他の入居者からクレームが入るということで発覚します。この場合、まずは全入居者が確認するような掲示板に「騒音問題が発生しているから、騒音を発生に注意するように」と言った問題を提起することからスタートします。それでも苦情が収まらない…という場合、騒音源となっている入居者に対し、口頭や文書で注意を行ってください。それでも騒音が収まらず、他の入居者からのクレームが増大したという場合、大家さんと騒音主である入居者間の信頼関係が破たんしたとみなせるため。強制退去の手続きに移行できると考えましょう。

なお、騒音トラブルの難しいところは、音の感じ方は人それぞれという点です。中には、普通に発生する程度の生活音を「騒音だ!」とクレームを入れてくる入居者もいて、そのような場合、クレーム主側に問題があると判断すべきです。騒音に関しては、「どの程度の音がどの頻度で発生しているのか?」の証拠を録音しておいてもらうだとか、騒音が原因で睡眠障害になっている…と言った診断書がきちんとあるのか、しっかりと確認したうえで動きましょう。他にも、苦情主の近隣の部屋の方にも「本当に騒音があるのか?」を聞き取りし、騒音の事実をしっかりと把握してから動かなければいけません。

ペット問題

 

コロナ禍の現在では、ペット不可物件にもかかわらず、隠れてペットを飼育し始める…というトラブルが増えています。契約書などで、明確にペット不可であることを記載している場合、まずは入居者と話し合いの場を作って、ペットを飼育している状況の解消をお願いしましょう。期日を決めて、それまでにペットの飼育を解消しなければ、賃貸借契約の解除を通知するという形です。期日までに対処をしなかった場合、信頼関係の破たんとみなし、強制退去の手続きに移行します。

なお、ペット問題に関しては、ペット可の物件でも起こり得る問題と考えてください。例えば、ペットのしつけをきちんとしていないことから、部屋の前を人が通るだけで吠えてしまい、騒音をまき散らす…、ペットの飼育状況が悪いため、悪臭問題を引き起こすなどのトラブルが多いです。
このような場合、適切な清掃などを行うよう、口頭及び書面などで入居者に求めなければいけません。それでもなお、悪臭や騒音問題が解消されなければ、強制退去手続きに移行することができます。

入居者とのトラブルは、上記のような物が代表的な事例と言えるでしょう。他にも、無断転貸や定められている入居者ルールを守らないなどさまざまなトラブルが考えられますが、いずれにせよ、その事実があったからと即座に強制退去の手続きに移れるわけではないと考えてください。

一般的な強制退去の手順

 

それでは最後に、トラブルメーカーとなっている入居者に対し、大家さんが強制退去を求めるまでの手順について簡単に解説しておきましょう。そもそも、賃貸物件は大家さんのものですし、大家さんの収支に悪影響を与えるなら即座に強制退去手続きをして「何が悪いんだ?」と思ってしまいますよね。この部分に関しては、入居者には居住権というものが認められており、借地借家法によって入居者の立場が強く保護されていることを頭に入れておきましょう。

したがって、トラブルを引き起こしたからと言って、直ちに強制退去を求めることができません。さらに、「鍵を交換して部屋に入れなくする」「勝手に荷物を持ち出して処分する」などというように、大家さんがいきなり強い措置に出てしまうと、大家さん側が罪に問われてしまうことになります。このようなことにならないためには、きちんと手順を追って強制退去の手続きを進めなければならないと考えましょう。

STEP1 注意と勧告

 

所有物件のルールなどに関しては、賃貸借契約書に明確に記載する上、掲示板などに張り紙を貼っておくなど、入居者全員にルールの徹底を周知しておきましょう。その上で、そのルールを守らない入居者には、繰り返し口頭および書面などで注意するようにしましょう。

STEP2 内容証明郵便による勧告

 

STEP1の注意や勧告を繰り返し行ったとしても、トラブルの解消に至らない場合、内容証明郵便を使って、「〇日(期日は任意で決めてください)までにトラブルの解消に協力してもらえない場合、賃貸借契約の解除を行う」という旨の内容証明郵便を送付します。

STEP3 契約解除

 

内容証明郵便に記載した期日までにトラブルの解消を行わなかった場合、賃貸借契約の解除に法的効果が生じます。

STEP4 明渡請求訴訟

 

賃貸借契約の解除を行った後、明け渡し請求の訴訟提起を行うことになります。なお、裁判が始まる前に、和解調停を行うこともできます。和解に至らなかった場合、裁判による判決を待ちます。
明渡請求訴訟で強制退去が認められた場合、裁判所の執行官が入居者を強制的に退去させます。なお、判決が出るまでに、入居者が争ってこない場合でも2カ月程度かかりますし、明け渡しの実行も猶予期間が1カ月程度与えられますので、強制退去はSTEP1から考えると最低でも半年程度の期間がかかると考えておきましょう。

まとめ

 

今回は、入居者の中にトラブルメーカーがいた場合の対処についてご紹介してきました。騒音やゴミ出しルールの問題などに関しては、その入居者自身は悪意を持って行っているわけではないということがほとんどですので、注意を行うことで解消されるケースが多いです。最もいけないのは、他の入居者から苦情が入っているのにもかかわらず、その対処を何もせず放置してしまう…ということです。そのような対応をしてしまうと、入居者からの信用がなくなり、退去者が続出してしまう…なんて結果になるでしょう。

なお、入居者のトラブル対応に関しては、管理会社と契約していれば、管理会社が行うものです。つまり、管理会社がきちんと入居者の対応を素早く行ってくれるのかというのは非常に重要な部分で、この対応が悪ければ、結局痛い目を見るのは物件オーナー様になってしまうと考えてください。
管理会社は、管理費用が安い方が良い…と考える人が多いのですが、管理がおざなりだから安い…なんて業者の場合、退去者が続出する結果になり、管理コストの安さなど何も意味をなさない…なんて結果が待っているかもしれません。

執筆スタッフ株式会社アイ・ディー・シー広報

株式会社アイ・ディー・シー広報のMです。
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