Mirai Lab.賃貸経営の未来を作るコラム

民法改正後の賃貸契約の注意点!従来の方式では連帯保証人が無効に!

このサイト内でも何度か触れている2020年の民法改正。民法はこれまで120年間ほとんど改正されることが無かったのですが、昨年ついに大規模な改正が行われたということは記憶に新しい事ですね。

そして今回の民法改正では、賃貸物件業務に非常に大きな影響を与える部分が多く、なかには賃貸オーナー様が知らなければかなり不味いことになってしまうような重要なポイントが存在するのです。賃貸経営に関わる民法改正ポイントについては、以前「大家さん必見!2020民法改正が賃貸経営に与える影響ってなんだ?」と言う記事でご紹介していますので、そちらも合わせて確認しておきましょう。

この記事では、2020年民法大改正の中でも、賃貸オーナー様が絶対におさえておくべき『連帯保証人』に関する規定について解説していきたいと思います。昨年の民法改正時は、新型コロナウイルスの1回目の緊急事態宣言が話題になっていたこともあり、詳しい内容まではおさえられていない…という方が意外に多いです。しかし、確認できていないからと、従来の賃貸借契約書をそのまま使っていたのでは、民法改正後の今、トラブルが無効になってしまう可能性があるのです。ここでは、改正民法が連帯保証人との契約に与える影響などを簡単にご紹介しておきます。

連帯保証人の責任が変わる

 

2020年民法大改正では、連帯保証人に関する規定が大きく変更されています。連帯保証人とは、「契約者と連帯して債務を負担する人のこと」なのですが、賃貸業界では、賃貸借契約を結ぶ際の連帯保証人として非常になじみ深い存在です。

ちなみに、連帯保証人がどのような責務を負担するのかというと、ある物件で家賃滞納が発生した際、契約者に支払いを求めてもそれに応じない場合、連帯保証人に立て替えて支払うように請求するという感じです。賃貸物件での連帯保証人では、通常、契約者の両親や兄弟などを立てるケースが多いです。

改正ポイントを見落としていると、連帯保証人の契約が無効に…

 

2020年の民法改正があるまでは、連帯保証人は「賃貸借契約から生じる一切の債務について連帯保証をする」と言った内容の契約が主流となっていたこともあり、契約者が家賃滞納状態に陥ってしまうと、家賃を滞納し続ける限り、連帯保証人が際限なくいくらでも連帯保証しなければならない…という状態でした。
正直な話、この状態は、連帯保証人に自分でなったとはいえ、いくら何でも連帯保証人にかかる負担が大きすぎる…と言うことで、かなり以前から議論がなされていたというのが実情です。

上述のような「一定の範囲に属する不特定の債務を主たる債務とする保証」のことを根保証というのですが、2004年には、あまりにも連帯保証人にかかる負担が大きすぎると改正が一度入っています。ただし、この時の改正に関しては、「金銭の貸渡しなどによって負担する債務(貸金等債務)」については、保証人が個人である場合に限り「極度額」の定めが必要になり、極度額の定めがない場合は、根保証契約は無効になるという内容の改正になっていました。つまり、2004年の改正に関しては、賃貸借契約の連帯保証人については貸金等債務ではないので対象外となり、2020年の民法大改正でようやく貸金等債務に限らず個人の根保証契約については「極度額の定めが必要」となり、現在の状態になったのです。

したがって、現在は、賃貸借契約の連帯保証人についても、個人根保証契約に含まれることから、極度額を定めておかなければ、連帯保証契約自体が無効と判断されてしまうということです。

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極度額とは?

 

ここまでで、2020年の民法改正で、個人の連帯保証人は、際限なくいくらでも保証しなければならない…という状況から、「極度額まで保証すれば良い」ということになったとわかりましたね。それでは、根保証契約における極度額とはいったい何を表しているのでしょうか?極度額については、「連帯保証人が補償しなければいけない債務の限度額」のことを指しています。賃貸借契約の連帯保証人で考えれば、契約者が家賃滞納を起こした際、連帯保証人が「立て替えなければいけない家賃などの限度額」という意味です。

分かりやすく数字で説明すると、家賃10万円の物件に関する賃貸借契約の連帯保証人になる場合、その極度額が50万円の連帯保証だったとしましょう。この場合、契約者が家賃滞納した際には、連帯保証人は最大で5ヶ月分の滞納家賃は立て替えなければいけないという責任を負います。しかし、50万円を超える家賃滞納が起きた場合、それ以上の家賃に関しては立て替えて支払う必要はないということです。

■極度額の制限について
極度額については、現在のところ、法律によって上限の制限などは規定されていません。つまり、100万円であろうが1,000万円に設定しようが、契約書に明示していればその連帯保証は有効になるわけです。
ただし、連帯保証人は、賃貸借契約を交わす際の確約書に明示された極度額を確認してから署名・捺印することになるわけですので、あまりに法外な金額を記載していると、直前に連帯保証人になることを躊躇されてしまう可能性が高いです。つまり、心理的な制限はあると考えておきましょう。実質的な極度額については、賃貸借契約が2年契約が多いことから、家賃の24ヶ月分に更新料を加えた程度の金額を設定する場合が多いようです。

極度額の表記に関する注意点

 

連帯保証人の極度額の明示については、きちんと金額を明確に記載するようにしなければいけません。金額を明示してしまうと、連帯保証人になる方が「自分が補償しなければいけない現実的な金額」が目に見えてしまうことで、直前になって躊躇してしまう可能性があります。そのため、極度額を設定する際に「家賃の24ヶ月分相当額を極度額とする」と言ったように、明確な金額表示ではなく、「家賃の〇ヶ月分」と言った記載方法を採用するケースが良く見受けられます。

覚えておいてほしいのは、実はこのような明確な金額が記載されていない方式の場合、連帯保証契約が無効になってしまう危険があるという点です。

というのも、賃貸物件の家賃というものは、必ずしも一定になるとは限らず、貸主・借主の合意があれば変更することも可能です。したがって、「家賃〇ヶ月分」という表記をしてしまった場合「極度額が確定していない」とみなされてしまい、無効となってしまう可能性もあるのです。

賃貸借契約で連帯保証人をつける場合は、「確定的な極度額の提示が必要」だと考え、家賃5万円の24ヶ月分に設定するのであれば、きちんと「120万円を極度額とする」と明示するようにしてください。

民法改正後は、家賃保証会社がよりありがたい存在に!

 

ここまでで、2020年の民法大改正で、賃貸契約における連帯保証人の取り扱いが大きく変わってしまったということが理解できたと思います。長く賃貸経営を行っている方であれば、賃貸契約書のテンプレートなども、ずっと同じものを利用していると思うのですが、民法改正前から変えていないという場合、その契約書上の連帯保証人との契約は無効になってしまう可能性があります。

さらに、今後の賃貸借契約を考えた場合、連帯保証人をつけてもらうことがより難しくなってしまうことも予想できます。どういうことかというと、賃貸借契約での連帯保証人の場合、連帯保証人になる方は、「自分がどれぐらいの責任を負っているのか?」ということをイマイチ理解できていない状態でも、今までの関係性から気軽になっていた…というパターンも考えられます。これは、連帯保証人になる際に、金額などが目に見えないことから、自分の責任範囲が明確に認識できていなかったからと考えられますよね。しかし、民法改正後は、明確な金額が明示されることになりますので、連帯保証人の責任を現実のことと受け取るようになってしまう訳です。

そういった事もあり、今後は連帯保証人を見つけられない…という入居希望者も増えていくのではないかと考えられますので、家賃保証会社との契約が非常に重要になってくるかもしれません。なお、家賃保証会社については、以前別記事でまとめていますので、ぜひそちらの記事をご参照ください。

> 安定した賃貸経営を行うには?家賃滞納リスクに備えるには保証会社は必要?

執筆スタッフ株式会社アイ・ディー・シー広報

株式会社アイ・ディー・シー広報のMです。
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