Mirai Lab.賃貸経営の未来を作るコラム

空き家の放置は所有者にとってリスクしかない!自分で管理するなら何をすれば良いの?

以前、このサイトでもご紹介しましたが、少子高齢化が進む日本では、誰も住んでいない空き家が年々増加しており、その取扱いが社会問題にもなっています。多くの方は、将来的に賃貸ではなく一戸建て住宅の購入に憧れていると言われていますが、日本は諸外国と比較しても、新築住宅がステータスのように考えられていることから、「せっかく家を買うなら中古ではなく新築が良い!」と考えてしまう方が多いと言われています。さらに、日本の税制についても、中古住宅を購入する場合より、新築住宅を購入したほうがさまざまな優遇措置を受けられると言われており、中古住宅がこれほど余っている中でも、新築を購入する方が多くなっているのです。

こういった背景から、自分が家を購入した後に、親が住んでいた実家を相続することになったのだが、古い家で買い手がつかなくて手放すに手放せない…と悩んでしまう方も多くなっていると言われています。特に現在では、『空家等対策の推進に関する特別措置法』というものが制定されていることから、築年数が経過した古家を所有しているということは、資産を持っているというよりも所有者のリスクの方が大きくなっていると言われています。

そこでこの記事では、現在空き家を所有している方がどのようなことに悩んでいるのか、また実際に自分が空き家を所有した際に生じてしまうリスクなどについて解説していきたいとい思います。この記事の後半では、自分で空き家の管理を行う場合の手間について解説しておきますので、ぜひ最後まで読んでください。

関連:相続した「空き家」の放置リスク!空き家を賢く活用するための対処とは?

日本の空き家問題とは?

 

それではまず、年々深刻化していると言われている空き家問題について、実際に空き家を所有している人は何に困っているのかについて解説していきましょう。ここでは、公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会が行ったアンケート調査のデータをピックアップしてご紹介しておきます。

引用:空き家所有者に関するアンケート調査及びインタビュー調査

まずは、どのような建物が空き家として放置されているかです。上のグラフから分かるように、現在、誰も住んでいない空き家として放置されている物件の約半数は、築30年以上経過しており、かなり状態が悪くなっていると考えられます。ちなみに、日本の戸建て住宅の主流となっている木造住宅については、築22年が法定耐用年数なのですが、このアンケートによると、空き家の8割近くを築20年以上の建物が占めています。この結果からみると、「既に自分の家があるから!」という理由以外にも、相続などで手に入れた家が古すぎて住むに堪えない…ということから、放置されてしまっているのではないかとも考えられます。

引用:空き家所有者に関するアンケート調査及びインタビュー調査

実際に、このアンケート調査に参加した方の半数近くは、空き家の劣化を訴えているという結果になっています。

引用:空き家所有者に関するアンケート調査及びインタビュー調査

それでは、現在空き家のままその家を所有している理由についても見ていきましょう。上のグラフから分かるように、約3割の方は「売却や賃貸を考えている(もしくは考えていた)」という結果になっています。そして最も多いのが、「年に数回使う」「将来的に誰かが住むかも」など、物件を所有している価値をまだ感じているという方も意外に多いという事実があります。
ただし、売却しようとしたが売れない、賃貸に出しても借り手が付かない、解体費用がネックになっているなど、空き家の所有自体を苦痛に感じていそうな回答も3割以上と、空き家がお荷物になっているのは確かだと思います。


引用:空き家所有者に関するアンケート調査及びインタビュー調査

上のグラフからわかるように、空き家の管理に関しては「自分で行っている」という回答が圧倒的に多いです。親戚なども含めると、約8割の空き家は親族の誰かが定期的に管理を行っているといった感じのようですね。これは、近くに自分や親族が住んでいるのであれば、費用をかけてまで空き家の管理を依頼するのはもったいないという意識が働いているのだと思います。空き家の管理と言っても、室内の換気や郵便ポストの整理、清掃程度ですので、自分で出来る範囲は行っておこうと考える方が多いのだと思います。

引用:空き家所有者に関するアンケート調査及びインタビュー調査

定期的に空き家を管理している方は、建物をできるだけ良い状態で保ち「住みたいと思った時に住めるようにしたい」や「売却や賃貸に出したい」という希望を持っているようですね。ただし、空き家を放置して近隣の方に迷惑をかけないようにするためという理由もそれなりに多いです。

参考:空き家所有者に関するアンケート調査及びインタビュー調査

自信があるから公開します

当社管理物件の驚異の入居率

94.29%
1月
94.67%
2月
97.51%
3月
96.51%
4月
95.52%
5月

当社管理物件の入居率を見る +

空き家の放置リスクについて

 

それでは、実家を相続したなど、自分で住むことはできない家を所有する場合、その空き家の管理を怠ってしまった時に生じるリスクについていくつかご紹介しておきます。上述したアンケートでも、空き家の管理など特にしていないという回答も1割程度あるのですが、このような状態で放置してしまうと、所有者にそれなりのリスクがあるのです。

引用:空き家所有者に関するアンケート調査及びインタビュー調査

ちなみに、空き家の管理を特にしていないという方について、「遠方に住んでいてできない(23.9%)」という以外は、特に管理する必要性を感じていないといったものになっています。しかし、こういった考えのもと、空き家の管理を怠ってしまうと、将来とんでもないお金を支払わなければならないことになるかもしれませんよ。

物件の価値が下落してしまう

 

空き家を管理もせずに放置してしまうと、物件の価値が下落してしまう…というリスクが存在します。具体的には、以下のような状態になってしまい、売りに出しても買い手すらつかない…なんてことになるのです。

  • ・定期的な換気を怠ると、湿気がこもる要因になり、カビが異常繁殖する
  • ・フローリングや畳などの床材が腐食してしまう
  • ・玄関周りの部分朽廃や、ドアに歪みが生じてしまう
  • ・シロアリが大繁殖してしまう
  • ・風呂場やトイレの滞留部の封水が蒸発してしまい、悪臭の原因になる
  • ・建物周りのコーキングが腐食し、雨水が侵入してしまう
  • ・庭木が伸びて隣家に越境してしまう、雑草が繁殖し小動物の住処になる

他にもさまざまな劣化症状を引き起こしてしまう恐れがあります。これらの劣化症状が出ないようにするためには、定期的な空き家の管理が必要になります。

所有者責任リスクがある

 

そもそも空き家の所有者には「所有者責任」が課せられています。この所有者責任は、民法第717条で定められています。

第七百十七条 土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。
引用:e-Gov

これは、所有している空き家で、ブロック塀が崩壊してしまい通行人が怪我をした…、屋根材が飛ばされて隣家を傷つけた…なんて場合、それがワザとではなかったとしても、所有者がその責任を負わなければいけないと決められているのです。日本では、地震や台風などの自然災害が多いですし、老朽化した建物の管理を怠り、それが他の建物や人に被害を生じさせてしまう…なんてことは普通にあり得ることです。

空き家を所有している方は、所有しているだけでさまざまな責任を背負っていると考え、このような事故を引き起こさないように定期的な管理が必要だと考えましょう。

特定空き家に指定されるリスク

 

最後は、空き家を放置してしまった結果、「特定空き家」に指定されてしまうかもしれないというリスクです。2015年5月より「空家等対策の推進に関する特別措置法」というものが制定されており、空き家の所有者が負うべき責任が重くなっています。そして、適切な管理を怠ってしまい、空き家が著しく老朽化してしまうと、自治体から『特定空き家』に指定されてしまうことになるわけです。というのも、適切な管理がなされていない空き家は、以下のような社会問題を助長すると考えられているからです。

  • ・地域景観を悪化させる
  • ・害虫の発生、野良猫・野良犬などの集中、不法投棄などによる生活環境の変化
  • ・建物や屏等の倒壊、屋根材・外壁材等の飛散・落下で周辺住民を危険にさらす
  • ・隣接地への草の浸入や樹枝の越境問題を引き起こす
  • ・放火による火災発生危険が高くなる
  • ・犯罪の発生・誘発
  • ・不審者の不法滞在

上記のような問題を引き起こすとされ、特定空き家に指定されてしまうと、固定資産税などの住宅用地の特例もなくなってしまい、税額が大幅に上がってしまいます。他にも、行政執行のリスクなど、かなり強い措置が用意されていますので注意しましょう。放置空き家のリスクは、以下の記事も合わせて確認してください。

関連:相続した「空き家」の放置リスク!空き家を賢く活用するための対処とは?

空き家の管理って何をすれば良いの?

 

それでは最後に、親が住んでいた実家を相続したなど、自分が住むわけではない空き家を所有することになった場合、定期的にどのような管理を行っていくべきなのかを簡単にご紹介しておきます。なお、ここでご紹介する方法は、月に1、2回程度であれば、自分で気軽に足を運べる距離の物件で行うべき管理をご紹介します。遠方で、数カ月に1回程度しか行けない…という場合、他の親族や知人などに管理を頼むしかないでしょう。空き家の近くに誰も知り合いがいない…という場合、専門業者に依頼すると良いでしょう。

まず最初にすべきこと

 

空き家を所有することになった場合、まずは以下のような準備をしておきましょう。

  • ・ライフラインの停止
  • ・貴重品・荷物の搬出
  • ・郵便受けの封鎖、郵便の転送処置
  • ・和室があれば、畳を上げる
  • ・貯湯タンクの水抜き(設備がある家のみ)
  • ・補助錠の設置
  • ・台風などの災害への備え

実家を相続したという方で、ひとまず誰も住まない状態で維持するという場合、電気、ガス、水道などのライフラインの取り扱いを決めましょう。必要ないのであれば、閉栓の手続きを進めます。

また、空き家は泥棒に入られやすいので、貴重品や必要な荷物はすべて持ち出しましょう。可能であれば不用品も処分しておく方が日常管理が楽になります。郵便受けについては、不用チラシなどが貯まってしまうと、景観を壊してしまうことになるので、ガムテープなどで受け口を塞ぎましょう。また、転送手続きなどもきちんと行っておいてください。設備に関しては、各物件で異なりますが、畳があれば上げておく、貯湯タンク式の給湯器なら水を抜いておくなどの対応がオススメです。

最後は、ホームセンターなどで補助錠を購入し、勝手に侵入されないような対策を行ったり、台風などがあっても、大きな被害が出ないよう、屋外の飛ばされそうなものは全て撤去するのがオススメです。

空き家の管理方法について

 

それでは、空き家を良い状態で保つため、定期的に行っておきたい管理内容についてもご紹介しておきます。基本的には、1カ月に最低1回は足を運び、以下のような作業を行っておきましょう。

  • ・通風・換気
  • ・通水
  • ・ゴミ拾いや草ひき
  • ・室内の清掃
  • ・目視確認

空き家の管理としては、定期的に訪れて、室内の空気を入れ替えてあげるということが非常に重要です。通風・換気を行うことは、湿気がこもることを防ぎますので、カビやシロアリの繁殖防止にも役立ちます。これは、人が住んでいても一緒なのですが、適切な換気は建物価値を維持するためにも非常に重要です。なお、換気のために開けた窓は、施錠を忘れないようにしてください。

次は、排水周りの管理です。排水工の下は、水が溜まる構造になっており、そこに封水と呼ばれる水が常時あることで、下水からの汚臭があがってこないようになっているのです。つまり、この封水が乾燥でなくなってしまうと、悪臭が立ち込めてしまう訳です。ライフラインを完全に止めている場合、ペットボトルなどに水を入れて持ち込み、封水が蒸発しないようにしておきましょう。

後は、建物周りと室内の清掃をしっかりと行っておきましょう。庭木などがある物件であれば、管理を怠ると、落ち葉が隣家に飛ばされて行ってしまい、クレームに繋がることが考えられますので、その時期は掃除の頻度を増やすのがオススメです。

これらの作業を行った後、最後に屋根や外壁の状態を目視で確認し、劣化している箇所が無いか見ておきましょう。「コーキングが剥がれ落ちている…」「漆喰が崩れている…」なんて箇所があれば、専門業者に依頼して修理する必要があるかもしれません。誰も住んでいない空き家なのに、修理費用をかけるのはちょっと…と思うかもしれませんが、こういった劣化を放置して雨漏りした場合、建物の価値が一気に下落してしまい、売却できなくなる可能性がより高くなります。

まとめ

 

今回は、日本国内の空き家の現状と、空き家を所有している方はどのような管理をしなければいけないのかについて解説してきました。この記事でご紹介したように、空き家を所有している方の多くは、物件の管理を自分で行っているというケースが多く、コストをかけてまで外注するのはちょっと…と考えているようですね。

ただし、定期的な管理を行っている方は、その物件を将来的に売却したり、貸し出したり、自分で住んだりなど、活用することを前提として面倒な作業を行っているのだと思います。これが、「どうせ売れない」「自分で住むつもりはない」という方であれば、空き家の管理を放置してしまっている場合が多いのですが、実はそのような対処は所有者にとって非常に大きなリスクになってしまうと考えましょう。

空き家を相続した方でも、それをどう活用すれば良いのかはさっぱり分からない…という方は多いと思いますので、まずは弊社の土地活用セミナーなどで、基礎を学んでみてはいかがでしょうか。家は、所有しているだけで税金や手間、時間がとられてしまうものですので、何の活用もしないのであれば、さっさと売却するに越したことはありません。ただ、「活用したいけれど活用の仕方が分からない…」という方も多いと思いますので、まずは土地活用がどういったものかを理解することからスタートしてみるのも良いのではないでしょうか。

> 土地活用セミナーはコチラ

執筆スタッフ株式会社アイ・ディー・シー広報

株式会社アイ・ディー・シー広報のMです。
当サイトのコンテンツにつきましては在籍のCPM米国認定不動産経営管理士、不動産コンサルティングマスター、賃貸不動産経営管理士、宅地建物取引士、相続支援コンサルタント、住宅ローンアドバイザー、ファイナンシャルプランナーの監修のもとで質の高い情報をお届けできるよう、日々更新しております。

  • TOP
  • ブログ
  • 空き家の放置は所有者にとってリスクしかない!自分で管理するなら何をすれば良いの? | 株式会社アイ・ディー・シー