Mirai Lab.賃貸経営の未来を作るコラム

入居者から家賃の値下げ交渉を受けた時の対処。値下げに応じるメリットはあるのか?

賃貸経営を行っていると、入居者さんから家賃の値下げ交渉を受けるケースがあります。物件オーナーからすると、家賃は収入に直結するものですし、「少しでも多くとりたい」というのが本音だと思います。しかし、入居者さんからの値下げ交渉をされたときに、考えることもなくその場で断ってしまうと、空室になってしまい、家賃の値下げどころの収入減少でなくなるリスクがあることから、どのような対処が適切なのか、意外と悩ましい問題になってしまいます。

もちろん、入居者から家賃の値下げ交渉を受けた際、必ずしも入居者の要望に沿う必要はないのですが、入居期間が非常に長い人からの値下げ交渉などの場合、値下げを希望するだけの「納得のできる理由」があるかもしれませんし、話し合いには応じるべきだと考えておきましょう。そして、入居者さんの話を聞いてみて、「値下げに応じるべき理由がある」と判断できる場合には、値下げに応じてみるのもアリだと思います。

そこでこの記事では、現在賃貸経営を行っている方に向け、入居者さんからの値下げ交渉を受けた時、その希望に沿って家賃の値下げを行う時のメリットとデメリット、また値下げを行うかどうかの判断ポイントについて解説していきます。

家賃の値下げ交渉に応じるメリット

 

それではまず、入居者さんから家賃の値下げ交渉をされて、それに応じた場合に得られるメリットからご紹介していきましょう。賃貸物件オーナー様からすると、家賃の値下げ交渉に応じるということは、収入の減少に直結する問題ですので、できれば値下げなどしたくないと考えるものだと思います。

しかし、入居者さんが家賃の値下げを希望することに、納得のできる理由があるのであれば、値下げ交渉に応じるメリットはきちんと存在します。ここではまず、値下げに応じる場合のメリットを簡単にご紹介しておきます。

メリット1 退去を防ぐことができる

 

賃貸物件を退去するのは、転勤など致し方ない理由の場合もありますが、家賃の支払いが困難になって、もう少し安い物件に住み替えようと考える方もいます。また、単純に長く住んで、物件が傷んできたことから現在の家賃設定に不満を感じるようになったという理由も考えられます。転勤の場合は、よほど近場への転勤でなければ退去を防ぐことは難しいのですが、その他の問題であれば、家賃の値下げ交渉はあなたの物件にとってネガティブな交渉ではないと考えられます。

入居者さんからすれば、「住み続けたい」と思える魅力のある物件ではあるものの、何らかの理由で収入が減少してしまい、家賃の支払いが困難になって安い物件への住み替えを検討しているわけです。オーナー様側の視点で考えると、家賃の値下げは、収入減少に繋がる問題ですが、交渉を拒否した場合、空室が生じてしまい、もっと大きな収入減少に繋がります。次の入居者がすぐに見つかれば良いのですが、そうではない場合、家賃交渉に乗らなかったことを後悔してしまう結果につながってしまうことでしょう。
このように、家賃の値下げは、「家賃の支払いが困難になった」「家賃設定に不満を感じ始めた」と言った方の退去を未然に防ぐことができるというメリットがあります。

メリット2 不要な修繕コストをかけなくても良い

 

家賃交渉に応じず、退去者が出た場合には、オーナー様の収入減少に繋がります。次の入居者が決まるまでは家賃収入が得られないわけですので、当然ですね。そしてさらに、退去者が出た場合には、次の入居者募集に向けて、居室のクリーニングや修繕にコストがかかってしまうというデメリットも生じます。

「退去時のクリーニングは敷金など、退去者に請求すれば良いのでは?」と思うかもしれませんが、経年劣化部分の修繕などに関しては敷金を充てることができず、オーナー様の負担で行う必要があるのです。家賃の値下げ交渉に応じて退去に至らなければ、このようなクリーニング・修繕コストをかけなくて済みますので、無駄な支出を減らせるという点がメリットと考えられるでしょう。

メリット3 入居募集にかかるコストを削減できる

 

家賃交渉に応じず、退去者が出た場合には、すぐに次の入居者に入ってもらうため、募集活動を行わなければいけません。そして、新たな入居者の募集を行う場合、上述したクリーニング費以外にも、入居者募集活動にコストがかかってしまいます。

入居者募集にかかる費用は、依頼する不動産会社によって異なります。分かりやすい部分で言えば、契約が決まったら仲介手数料として賃料1か月分が徴収されるのが一般的ですね。この費用は、交渉に応じて、退去者を出さなければ必要のない費用となりますので、交渉に応じるメリットはあると考えられるのです。

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家賃の値下げ交渉に応じるデメリット

 

入居者からの家賃値下げ交渉に応じるのには、上記のようなメリットが存在します。しかしその一方、いくつかのデメリットも存在しますので、その辺りもきちんと押さえておきましょう。

デメリット1 家賃収入が減る

 

入居者からの家賃値下げ交渉に応じるということは、これまで得られていた家賃収入が減少してしまうことを意味します。当然、家賃収入が減少してしまえば、収支のバランスが崩れてしまい、ローンの返済などが継続中の方は、返済が厳しくなってしまう…なんてリスクもあるでしょう。

家賃収入からのローン返済が難しくなれば、貯金や給与などの自己資金で補う必要があり、最悪の場合、賃貸経営自体が難しくなって物件を手放さなければならなくなるかもしれません。この辺りはよく考えてから値下げ交渉に応じるか、またいくら程度までなら値下げ可能なのかを検討すべきです。

デメリット2 一度下げると家賃はほぼ戻せない

 

入居者の交渉に応じて家賃を下げた場合、その入居者が退去しない限りは家賃は元に戻せないと考えておきましょう。これは、日本の法律が、貸主でなくて借主の権利を強く保護するような内容が盛り込まれているからです。

家賃についてですが、「値下げ交渉」については借主にプラスに働くことから、提案する際の条件などは何もありません。その一方、家賃の値上げに関しては、借主のマイナスに働くということから、「正当な事由が必要」とされる事がほとんどです。つまり、一度値下げに応じてしまえば、家主側が元の家賃に戻したいと思った時、「家賃の値上げ」を意味して、借主が応じなければ家賃設定を戻すことができないわけです。

なお、裁判などで家賃の値上げを認めてもらうこともできますが、この場合も、周辺の家賃相場と比較して明らかに安いといった正当な事由がない限り、裁判で家賃の値上げが認められることはありません。家賃の値下げ交渉に応じる時には、その入居者が退去するまで家賃を戻すことができず、継続的に収入減少になるということを理解しておきましょう。

デメリット3 他の入居者と格差が生じる

 

ある入居者に家賃の値下げ交渉をされて、それに応じた場合、他の入居者と格差が生じてしまうことになります。もちろん、家賃がいくらに設定されているのかをいちいち公表などはしていませんし、家賃を値下げしたことがバレてしまうという事態はほとんどありません。

ただし、値下げに成功した入居者が、他の入居者と交流がある場合、値下げ交渉で家賃が下がったという事実が広まってしまうことも考えられ、それを知った他の入居者からも値下げ交渉をされてしまう可能性があると考えておきましょう。この場合、値下げ交渉に応じなければ、「〇〇さんは値下げしたのに、なぜ自分は…」と不満が溜まってしまうことになります。

しかし、他の入居者の不満解消のために値下げをすると、大幅な家賃収入の減少につながってしまい、賃貸経営が困難になってしまう危険があります。値下げ交渉に応じる場合、いつその事実が他の入居者に知られてもおかしくないということを理解しておかなければいけません。

そもそも家賃の値下げ交渉には応じるべきなのか?

 

ここまでで、入居者から家賃の値下げ交渉を受けた時、それに応じた場合のメリットとデメリット両面が理解できたと思います。家賃の値下げは、退去者が出るのを未然に防ぐことができるというメリットがある一方、その事実が物件内で広がることで、家賃収入が大幅に減少してしまう恐れがあると考えておきましょう。

それでは、そもそも、入居者から家賃の値下げ交渉を受けた時には、その相談に応じる必要があるのでしょうか?この疑問については、全ての入居者の相談に応じる必要はないが、検討すべきケースもあるといった感じでしょう。以下で参考に、交渉に応じるべきケースと、断るべきケースをご紹介しておきます。

応じるべきケース① 入居期間が長い入居者からの相談

 

値下げ交渉を受けた際に、きちんと検討すべきと言えるケースとしては、入居期間が長い入居者からの相談です。5年や10年も住んでくれている入居者であれば、賃貸経営への貢献が非常に大きい人物と言え、このような方は、物件自体を気に入ってくれていて、よほどの理由がない限りは退去の可能性が低いと考えられます。要は、賃貸経営をこれからも安定させてくれる重要人物だということです。

このような人からの相談を断ってしまうと、物件に留まる魅力が少なくなってしまいますので、その後、何らかの小さな要因が生じた程度でも退去に踏み切られる可能性が高くなってしまうと考えましょう。したがって、入居期間が長い人からの交渉は、これまでの賃貸経営を支えてくれていた貢献を踏まえて、可能な限り交渉に応じるのがオススメです。それが、その後の賃貸経営の安定にもつながるはずです。

応じるべきケース② 明確な値下げ理由がある場合

 

明確な理由がない家賃御値下げ交渉に応じてしまうと、その後もたびたび交渉を持ちかけられて困ってしまう…なんてことになり、交渉に応じるメリットはほとんどありません。

しかし、何らかの明確な理由があるという場合は、検討の余地があるでしょう。例えば、勤務先の会社が破たんした…、業績悪化で給与が下がった…など、今のままの家賃では支払いが困難になる具体的な理由がある場合は、値下げを検討すべきと言えます。こういった方は、他の安い物件に住み替えするという選択肢があるにも関わらず、値下げに応じれば住み続けてくれるという意思を持っています。

もちろん、交渉に応じればその後、長く住み続けてくれるとは限りませんが、誠意をもって相談してくれる入居者を大切にすることは、安定した賃貸経営を続けるうえでは非常に重要です。

応じるべきでないケース① 過去に家賃滞納をしたことがある人

 

これは、家賃滞納を何度もするなど、問題を頻繁に起こす入居者のことです。入金忘れや引き落とし口座の残高不足など、滞納を指摘すればすぐに入金してくれたという単純ミスの場合は交渉に応じても構わないでしょう。

しかし、家賃滞納を頻繁に引き起こすような入居者は、家賃を値下げしたとしても滞納問題を必ず起こすと考えた方が良いです。信頼関係が破たんするような問題を頻繁に起こす入居者の場合、退去してもらう方がその後の賃貸経営は安定するはずですので、値下げ交渉に応じる必要は一切ありません。なお、家賃滞納トラブル以外にも、騒音やゴミ出しマナーに関する問題を起こす入居者も同様に交渉に応じる必要はありません。

まとめ

 

今回は、賃貸経営を行っている方に向け、入居者から家賃の値下げ交渉を受けた場合、その交渉に応じた時のメリットやデメリットなどをご紹介してきました。

この記事でご紹介したように、家賃の値下げは、家賃収入の減少につながる問題ですので、基本的には交渉に応じたくないと考える賃貸オーナー様が多いと思います。しかし、家賃交渉に応じなければ、退去してしまうと考えると、どのような入居者からの相談なのかはきちんと考えるべきと言えるのではないでしょうか?
もちろん、退去者が出てもすぐに入居者が見つかるような人気物件であれば、値下げ交渉など応じる必要はないと思うのですが、今の時代、次の入居者をスムーズに見つけることもなかなか難しくなっています。したがって、家賃収入が減るのを嫌がり、交渉に応じなかったことで退去に繋がり、長く次の入居者が見つからず、より大きな家賃収入減に悩まされてしまう…なんてことも多いのです。

家賃交渉は、何でもかんでも乗れば良いというものではありませんが、相談してきた入居者の貢献度や値下げしてほしい理由などから、検討すべきケースもあると考えておきましょう。

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執筆スタッフ株式会社アイ・ディー・シー広報

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