Mirai Lab.賃貸経営の未来を作るコラム

民泊を始めるなら押さえておくべき法律関連の基礎知識

新型コロナウイルス問題解消の光が見え始めた昨今ですが、コロナ後の空き家の有効活用として民泊などをスタートしようと考えている方も多いのではないでしょうか?2020年からは、外国人観光客の受け入れが難しく、非常に困難な立場になってしまった民泊業界ですが、ワクチンの接種が広がってきた現在では、来年から「この苦しい状況を抜けられるのでは…」と期待している方も多いと思います。

民泊は、不動産の有効活用方法として近年非常に高い人気を誇っており、テレビ番組などでも、古民家を安値で買い取って、自分で改装し民泊をスタートさせる方の特集などが放送されることがありましたね。しかし、民泊という言葉はよく耳にするけれど、具体的にどのようなシステムになっているのか、民泊を始めるのであれば、どういった手続きを進めれば良いのかという点がわからないという方も多いと思います。

そこでこの記事では、空き家を民泊などに活用したいと考えている方のため、民泊を始めるにあたって頭に入れておきたい法律関連の基礎知識をご紹介します。

民泊の基礎知識について

 

それではまず、民泊がどのようなもので、法律的な位置づけがどうなっているのかについて解説していきましょう。

そもそも民泊というものは「好意で、民家に無償で泊める」ということを指しているのですが、2008年頃に登場したインターネット上の仲介サイトにより、観光客に個人宅や投資用物件を宿泊用に有料で提供する行為のことを指すようになりました。ちなみに、民泊もいくつかの形態に分類されており、それぞれに法規や条件が異なります。

民泊を始めたいと考えるのであれば、まずは基本となるこの法規を押さえておきましょう。

民泊の種類について

 

まずは、民泊の種類からです。一口に民泊と言っても、大きく分けて3つの種類が存在しており、関係する法令が異なります。民泊の種類については、「旅館業民泊」、「特区民泊」、「新法民泊」の3種類がありますので、以下で簡単に解説しておきます。

  • 旅館業民泊
    旅館業民泊は、営業日数・宿泊日数ともに制限がなく、年間を通して営業できる物を言い、簡易宿所と呼ばれる場合もあります。このタイプは、旅館業法で規定されており、本格的なビジネスとして民泊の経営を考えている方にお勧めです。ただし、居住専用地域では運営不可である、消防法や建築基準法の条件が厳しいなどという問題もあり、なかなか許可が取れないという点がデメリットです。
  • 特区民泊
    特区民泊は、国が指定した「国家戦略特区」の中で、なおかつ「民泊条例」を制定している自治体でのみ運営できる民泊です。各自治体が定めている民泊条例により、営業できる地域などに多少の違いが存在しており、自治体の認定を受けなければ民泊を運営できません。特区民泊は、もともと6泊7日以上の滞在期間が要件と、厳しめの規制があったのですが、2016年9月より、2泊3日以上と規制緩和が行われて、かなり活用の幅が広くなっています。
  • 新法民泊
    2018年6月に施行された「住宅宿泊事業法(民泊新法)」に基づいた民泊の形態です。このタイプは、住宅に宿泊することを前提としているため、ホテルや旅館などの営業ができない居住専用地域でも運営が可能なのが特徴です。ただし、年間営業日数の上限が180日と決まっていることから、本格的なビジネスとしては難しい面もあります。

家主不在型と家主居住型で管理方法が異なる

 

民泊を運営する場合でも、家主不在型と家主居住型という2種類が存在します。そして、このどちらの方法で運営するのかによって、法律で定められている管理方法が違ってくるわけです。以下で、それぞれの違いをご紹介しておきますので頭に入れておきましょう。

■家主居住型の場合

 

家主居住型の民泊は、もともとの民泊の概念に近く、運営者がその住宅に住んでいる状態で、住宅内の一室を宿泊施設として提供するというものです。

このタイプは、住宅宿泊事業者である人が、その住宅に住んでいることが重要であって、運営者以外の人がその住宅に住んでいる場合や、隣の家に住んでいる場合、旅行などで家を空けている間に貸し出すといった場合は当てはまりません。
また、家主居住型の条件として、住宅宿泊事業者である人が、不在をしないということも要求されます。何らかの用事がある場合でも、原則として1時間までの不在であれば構わないとされていますが、それ以上の時間を不在とする場合、下で紹介する家主不在型としての届出が必要になります。要は、このタイプは、宿泊者がいる場合、かなりの制限がかかるということです。

■家主不在型の場合

 

上記に条件に当てはまらない民泊は、家主不在型となります。このタイプは、あなたが自分で管理業務を行えないという点が特徴です。家主不在型の場合は、「住宅宿泊事業者に管理業務を委託すること」と定められています。なお、家主不在型の場合、非常用照明や消防施設など、安全装置に関する要件が高くなるという特徴もあります。

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民泊を始めたいと思った時に必要になる手順と確認事項

 

それでは、民泊事業を始めたいと考えている方がおさえておくべき必要な手続きについてご紹介していきます。民泊は、家に空き部屋があれば、勝手に運営して良いというものではなく、運営形態ごとに適切な許可申請や届け出手続きを行う必要があります。

ここでは、民泊の形態ごとに必要な手順を解説しておきます。

旅館業の場合

 

本格的なビジネスとして民泊を行う場合、旅館業として運営するのがベストな選択です。したがって、このケースは、保健所に旅館業として申請を行う必要があると考えてください。

もちろん、建物があって申請さえすれば許可してもらえるような単純な物ではありませんよ。旅館業民泊を運営したい場合には、保健所をはじめとして、開発審査課や建築指導課、都市計画課や下水浄化センター、消防関係や環境保全関係など、関連する部署でそれぞれの条件を満たしているかどうか確認してもらう必要があります。
各種条件を満たしていることが分かって初めて申請書の提出を行うという流れになります。申請に必要な書類関係は、自治体によって多少異なりますが、以下のものが一般的です。

  • ・登記事項証明書
  • ・状況見取り図
  • ・配置図・平面図
  • ・構造設備の仕様図
  • ・仕様承諾書など
  • ・水質検査成績書
  • ・土地・建物登記簿謄本
  • ・検査済証

特区民泊の場合

 

特区民泊の許可申請窓口に関しては、各自治体によって異なりますので、観光庁が運営している特設サイトで確認してください。

> 各自治体の窓口案内はコチラ

なお、特区民泊の申請書類に関しては、法人と個人で異なります。以下に一般的に必要になる資料をご紹介しておきますので参考にしてみてください。

■法人の場合の必要書類

 

  • ・申請書
  • ・定款また寄附行為及び登記事項証明書
  • ・賃貸借契約及びこれに付随する契約に係る約款
  • ・施設の構造設備を明らかにする図面

■個人の場合の必要書類

 

  • ・申請書
  • ・住民票の写し
  • ・賃貸借契約及びこれに付随する契約に係る約款
  • ・施設の構造設備を明らかにする図面

新法民泊の場合

 

新法民泊の場合は、許可申請という形ではなく、届出になります。届出については、以下の書類を用意し、ポータルサイトか保健所で行うことになります。

  • ・届出書(ポータルサイトでダウンロードできます)
  • ・住宅の図面
  • ・欠格事由に該当しない事の誓約書
  • ・転貸承諾書

民泊を始める前の確認事項について

 

民泊をスタートする前には、許可申請や届け出などの手続きに並行して、所有物件で本当に民泊を運営することができるのかも確認しておくべきです。もちろん、設備的な問題で、要件を満たすために改修しなければならないなんてことも考えられますが、場合によっては「そもそも考えていた方法で民泊が運営できない」なんてことも考えられるのです。

したがって、実際に事業をスタートさせるために動き始めてから方針転換や準備のやり直しが必要…なんてことにならないよう、以下のような点はチェックしておきましょう。

■用途地域について

 

日本の国土は、用途地域が決まっており、地域ごとに「どんな用途の建物が建てられるのか?」が決められています。そして、旅館業民泊と一部特区民泊については、以下の用途地域では運営することができません。

  • ・工業専用地域
  • ・工業地域
  • ・第二種中高層住居専用地域
  • ・第一種中高層住居専用地域
  • ・第二種低層住居専用地域
  • ・第一種低層住居専用地域

なお、新法民泊に関しては、住宅という扱いになりますので、工業専用地域以外のすべての地域で運営が可能です。

■区分マンションは管理規約に注意

 

区分マンションで民泊を運営したいと考えている方は、マンションの管理規約を確認しましょう。区分マンションは、多くの場合「住む目的以外の用途に使ってはならない」と言った事が管理規約で定められています。そして、このタイプであれば、民泊を運営することができません。

まとめ

 

今回は、空き家の有効活用方法として有名な民泊の基礎知識についてご紹介してきました。2020年から続く新型コロナウイルス問題では、民泊事業が総崩れのような状態になっていますが、ようやくコロナ禍の出口が見えてきたような気がしますし、これから民泊を新たにスタートさせようかな…と考えている方もいるかもしれませんね。

しかし、この記事でご紹介したように、民泊事業はそこまで単純な物ではなく、意外にややこしい法規制がありますので、まずはその当たりの勉強からスタートすべきだと思います。

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執筆スタッフ株式会社アイ・ディー・シー広報

株式会社アイ・ディー・シー広報のMです。
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