Mirai Lab.賃貸経営の未来を作るコラム

入居者とのトラブルに発展しがちな『更新料』の基礎知識について!

賃貸物件を経営している方であれば、現入居者には「できるだけ長く住んでもらいたい!」と考えていることでしょう。以前、別の記事でもご紹介していますが、賃貸オーナーの頭を悩ませる空室対策ですが、退去者が出なければ空室に悩むことはありませんし、余計な修繕費などもかからず、安定的に家賃収入が得られるようになるのです。

しかし、賃貸借契約では契約期間が定められていて、期間満了に伴って契約継続をする際には契約の更新と更新料の支払いが必要になります。そして、この更新料の支払いに関しては、入居者から「更新料を支払いたくない!」「更新料を減額してほしい」などと言う要望を突き付けられてしまうようなトラブルも意外に多いのです。

それでは、自分の所有する物件で契約の更新に関するトラブルが発生した場合、どのように対処すれば良いのでしょうか?穏便に済ませるには「更新料の減額に応じる」と言う選択肢もあるのでしょうが、他の入居者にその情報が広まれば余計なトラブルに発展してしまいますし、何より自分自身の収入が減ってしまうことになります。この記事では、意外に悩んでいる方が多いと言われている賃貸契約の更新料について、その基礎知識や注意点について解説していきます。

関連:空室対策で最も重要なのは「現入居者に長く住んでもらう」こと!退去者が出た時は物件改善のチャンス!

更新料に関するトラブルってどんなのがあるの?

 

安定的な賃貸経営を目指すうえで、意外な落とし穴になってしまいがちなのが賃貸借契約の契約更新です。契約を更新する際には、更新手続きや更新料の支払いなどがあるのですが、この部分で入居者とトラブルになってしまうケースが意外に多いと言われているのです。こう聞くと「最初の段階で更新料が必要!」と言うことは説明しているのでは…と感じる方が多いのですが、実際に以下のような問題を抱えてしまうケースが多いようです。

  • ①更新料の支払いを拒否されてしまう
  • ②更新手続きを拒否したにもかかわらず、退去しない
  • ③更新料の値下げ交渉をされてしまう
  • ④更新手続きが遅れてしまう

上記にように、賃貸借契約の更新手続きではさまざまな問題が生じてしまうリスクがあります。そしてこういったリスクが多いわりに、契約更新に関する正しい知識を持っていないオーナー様もかなり多いという事実があるのです。入居者との交渉を行うにしても、正確な知識は必要になりますので、以下の内容を頭に入れておきましょう。

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賃貸借契約における『更新』の基礎知識

 

それではまずは、賃貸借契約における『更新』が何なのかと言う基礎知識について解説していきます。まず、賃貸借契約とは「賃貸物件に入居する際に、貸主と借主の間で結ばれる契約」のことを指しています。そして、この賃貸借契約では、ほとんどの場合、契約期間に期限が設けられています。つまり、契約期間が満了するまでに、「そのまま住み続けるのか?」「契約を解除して退去するのか?」を選択してもらう必要があるわけですね。そして、「住み続ける」という選択をした人には、契約を更新してもらうという流れになるのです。

なお、賃貸借契約にも種類が存在しており、「普通借家契約」と「定期借家契約」では、その中身に多少の違いが存在しています。代表的な違いを以下で分かりやすくご紹介しておきましょう。

  • ・契約更新について⇒普通借家契約:あり、定期借家契約:なし
  • ・契約期間について⇒普通借家契約:1年以上、定期借家契約:自由
  • ・中途解約⇒普通借家契約:借主は可能だが貸主は正当事由が必要、定期借家契約:貸主はやむを得ない事情がある場合可能

普通借家契約と定期借家契約は上記のような違いがあります。普通借家契約は、主にアパートやマンションなどの一般的な賃貸物件で結ばれる契約で、契約期限に限りがあり、更新が可能だという点が特徴です。一般的な賃貸物件の場合、多くの場合、普通借家契約となり、契約更新時に問題が無ければそのまま住み続けるといった感じになります。

定期借家契約は、「契約更新が無い」と言う点が大きな特徴です。基本的には、最初に決めた契約期間が終了した時点で契約が満了となり、借主は退去しなければいけません。この契約期間については自由に決めることが可能で、貸主と借主との間で合意があれば、満了後に再契約することは可能です。一般的には、「長期出張で数年間家を空けるから賃貸に出す」など、一時的に物件を貸し出したいという場合に採用する契約方法です。

『契約更新』にも種類がある

 

次は、賃貸借契約の『更新』の種類について解説しておきます。一般の方であれば、ほとんど意識することはないと思いますが、実はここにも種類があるのです。

  • 合意更新
    貸主と借主の合意のもとに契約期間を更新することです。この場合、更新後の契約期間の制限などもなく、契約条件の変更なども自由にできます。
  • 自動更新
    契約時にあらかじめ「契約を継続する」ことを約束し、契約期間満了と同時に自動的に契約が更新されるものです。この方法は、更新手続きを忘れるなどと言う心配がなく、更新時の事務手続きを省くことができるという点がメリットです。
  • 法定更新
    必要な更新手続きを忘れていたなど、手続きをしないまま契約が満了した時の更新方法が法定更新です。これは、ミスなどで借主の住まいがなくなってしまうことを防ぐのが目的で、借主保護のために定められた方法になります。

更新にも上記のような違いが存在します。なお、法定更新による更新が行われた場合、更新後の契約は契約期間が変更され、「いつまで?」と言う決まりが無い契約になってしまうので注意しましょう。

賃貸物件の更新期間は『2年間』が一般的

 

一般的にですが、居住用の賃貸借契約は2年契約となっているものが多いです。それでは、賃貸借契約の更新期間が『2年』に設定されることが多いのはなぜなのでしょうか?実は、この2年間と言うのは借地借家法が関係しています。

建物賃貸借の期間
第二十九条 期間を一年未満とする建物の賃貸借は、期間の定めがない建物の賃貸借とみなす。
引用:借地借家法 | e-Gov

借地借家法第29条では上記のように定められており、1年未満の契約については、期間の定めがない契約とみなされてしまうのです。
期間の定めのない契約になってしまうと、借主側は「いつでも解約の申し出が可能」となってしまい、申し出がなされると6ヶ月を経過すれば賃貸借契約が終了してしまう…と言う貸主側にとって有利な契約になってしまうのです。したがって、こういった状況を作らないようにするため、借主保護の観点から1年未満の契約が避けられていると言われています。また、「期間の定めのない契約」となってしまうと、更新ができないことになってしまうので、貸す側からすれば更新料を徴収できなくなるなどのデメリットも存在するからだと思います。

なお、1年以上であれば契約期間を自由に定められるのですが、1年とすると更新手続きが面倒ですし、3年以上となると借主の生活を考慮すれば「長すぎる」と考えられることから、2年が妥当と判断されたのでしょう。

更新手続きの注意点

 

それではここからは、更新手続きに関する具体的な注意点をご紹介していきましょう。管理会社と契約している場合、大家さん側で更新に必要になる書類などを用意する必要はなく、入居者に更新するかどうかの確認も管理会社が行ってくれます。自主管理の場合は、これらの作業を全て自ら行わなければならなくなるので、注意しましょう。

更新の流れ

 

一般的には、以下のような流れで更新手続きが進みます。

  • ①契約期間満了の1~3カ月前に契約更新を入居者に通知する
  • ②期日までに更新契約書の記入・署名捺印を入居者にしてもらう
  • ③期日までに更新料の振り込みをしてもらう

賃貸物件の更新は、基本的に上記のような流れで進みます。なお、火災保険や保証会社との契約更新も必要になる場合がほとんどですので、その点もお忘れなく。

更新費の相場について

 

賃貸借契約を更新する場合の更新費については、法律などによる定めがありません。つまり、大家さんの意思で自由に設定することが可能です。ただ、あまりに高額な更新費用にしてしまうと、更新のタイミングで退去されてしまうリスクが高くなりますし、その点は注意が必要でしょう。

一般的には、『更新費:家賃1か月分』という設定になっている場合が多いです。

ただ注意が必要なのは、更新費の相場は地域によってかなりの格差が存在するという特徴があります。と言うのも、地域によって商習慣が異なり、「そもそも更新料自体が無い」と言う地域も存在しているのです。一般的に、「東京都(65.0%)、千葉県(82.9%)、神奈川県で(90.1%)」など、首都圏では多くの場合、更新料が徴収されていますが、大阪などでは更新料を徴収しないのが普通です。この地域差があることから、「毎月家賃を支払っているのに、なんで更新料なんか払わないといけないわけ?」と言ったトラブルが生じるのです。

更新料の減額を相談されたらどうする?

 

上述したように、賃貸借契約の更新料については、地域格差があることから更新時に入居者とのトラブルに発展してしまうケースが意外に多いです。例えば、大阪に住んでいいた方が、首都圏に引っ越しした場合、「更新料を請求される」という常識が無いことから、「この物件オーナーはなんて金に汚いんだ!」と考えてしまい、支払いを拒まれてしまうケースも考えられます。この場合、単純に更新せずに退去するだけならまだしも、更新手続きや支払いをせずに居座られてしまう…なんてリスクまであるのです。

更新料については、大家さんの自由裁量で金額を決められますので、更新時のトラブルを防ぐことだけを考えると「更新料は取らない」という選択が最も安全です。ただ、更新の手続き自体は行うというケースでは、管理会社が更新手続きを行う場合、費用が発生しますので、オーナーがその費用を負担しなければならなくなります。

まとめ

 

今回は、賃貸借契約における、更新と更新費用について解説してきました。この記事でご紹介したように、首都圏などでは、2年ごとに契約更新が行われその際には「半月~1か月分の家賃」を更新料として徴収するという商習慣が当たり前のように行われています。しかし、地域によっては、こういった更新料などが発生することが無いという商習慣のところも多く、人々が気軽に移動できる現在、更新料の支払いでトラブルになるケースが多くなっているのです。

賃貸借契約での更新料に関しては、更新手続きにかかる手数料と言う側面もあるのは確かですが、大家さんの臨時収入として考えている物件が多い事でしょう。この場合、更新費に関するトラブルが起きたり、更新時に退去されてしまう可能性が高くなることから「空室対策費や修繕費を考えると更新費をとるのが損だな…」となってしまうケースも意外に多いのです。
もちろん、更新費用を徴収するのは大家さんの自由ですので、常識の範囲で設定するのは良いと思いますが、広い視野を持って「本当に徴収するメリットがあるのか?」はよく考えた方が良いですよ。

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執筆スタッフ株式会社アイ・ディー・シー広報

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