Mirai Lab.賃貸経営の未来を作るコラム

安否確認が目的でも合鍵で勝手に入室するのはNG!正しい安否確認の手順について

今回は、賃貸物件での安否確認の正しい手順をご紹介していきたいと思います。少子高齢化が進む日本では、単身高齢者に物件を賃貸するというケースは今後も増えていくと予想できるでしょう。現在、高齢者の単独入居は受け付けていないという物件でも、空室率が高くなれば受け入れざるを得ないと方向転換をすることも考えられます。そして、高齢者の受け入れを決めた時には、「考えたくはないが、万一の時のことも想定しておきたい!」と考えるのが賃貸オーナー様だと思います。例えば、以下のような状況になった場合、皆さんならどういった行動が正解だと思いますか?

長年、一人暮らしの高齢者が入居している。今まで一度も家賃の滞納をしたこともないし、人当たりが良い人で近隣住人との関係も非常に良く、好ましい入居者だった。しかし、突然家賃の滞納が発覚した。支払いを忘れたのかと考え、連絡してみても連絡がつかず、カーテンが閉まっているので部屋の中の様子が全く分からない…。一人暮らしの高齢者だから、中で倒れていないか心配…。

このような状況に陥った場合、「人命が優先だし、合鍵で部屋に入れば良い」と考える方が多いかもしれませんが、実はそのような対応は絶対にNGです。安否確認のためとはいえ、勝手に合鍵で部屋に入る行為は、「住居侵入罪」として警察に通報されてしまう恐れまであるのです。
どことなくモヤモヤするルールですが、日本の法律ではこういった結果になってしまうのです。そこでこの記事では、「入居者さんに何かあったのでは?」と心配になった時、正しい手順で安否確認を行うための基礎知識をご紹介していきます。

安否確認の第一段階について

 

賃貸経営を行っていれば、さまざまな理由で入居者の安否確認が必要になるケースがあるでしょう。冒頭では、高齢者の一人暮らしを参考に出しましたが、若者の入居者であっても家賃滞納が起こり、その後電話しても連絡がつかない…なんてケースは珍しくないでしょう。

それでは、こういった場合、どのような方法で安否確認を行えば良いのでしょうか?上述したように、いきなり合鍵を使って部屋に入るなんて強引な対応は絶対にNGです。また、部屋に入って安否確認を行うという行動の前に、管理会社や大家さん自身で出来る安否確認方法もいくつかあるので、以下でご紹介しておきましょう。

STEP1 電話などで連絡後、訪問する

 

家賃滞納などがおきた際には、まず電話やメール、手紙などを利用して連絡します。このような手段で連絡が取れない場合、入居時に頂いているご家族や連帯保証人に連絡します。それでも連絡がつかない場合には、安否確認を含めて部屋を実際に訪問するしかないでしょう。

部屋に訪問した時には、チャイムを鳴らし何度かノックして返答があるか確認してください。返答が無いようであれば、電気やガス、水道のメーターが動いているか確認してみましょう。電気などに関しては、不在時も動いているのが普通ですので、これが止まっているようであれば要注意です。他には、集合ポストや玄関ポストを確認し、ここに郵便物が溜まっているようであれば、長期的に不在している可能性があります。
なお、訪問チェックに関しては、1度だけで終わるのではなく、訪問する時間を変えて何度か行いましょう。その時には、ドアに手紙などを挟んでおくなどとしておけば、入居者が出入りしているのかを確認できます。

STEP2 他の入居者に確認する

 

電話や手紙、訪問などを行っても入居者と連絡が取れない場合、同じ建物内に住んでいる他の住人に入居者のことを聞いてみるのも良いでしょう。
例えば、物音などで存在がわかる、お隣の住人に連絡を取り、連絡がつかない入居者について「最近見かけたか?」「何か変化はないか?」など、様子を聞いてみると良いでしょう。ただ、この時には、入居者の個人情報などの取り扱いには十分に注意してください。

STEP3 継続的に連絡しながら様子見する

 

部屋の訪問に合わせて、電話などでの連絡を継続しつつ、しばらく様子を見てみましょう。特に、緊急ではない場合、週1回などのペースを決めて連絡を続けてみてください。逆に、緊急の要件がある場合には、入居者本人だけでなく、ご家族や保証人などへの連絡も継続しましょう。

なお、入居者が高齢者など、「中で倒れているのでは…」と考えられるような場合、次項の緊急的な安否確認を行いましょう。

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安否確認のため室内に入室するには

 

賃貸物件であれば、大家さんや管理会社が各居室の合鍵を持っているはずです。したがって、冒頭でご紹介したような「入居者の命に係わる問題が起きているのかも…」と疑った場合には、人命を優先して合鍵で入室しても良いと考えてしまう方が多いです。しかし、当然そのようなことはなく、合鍵を使って勝手に入室すると「住居侵入罪」となってしまいます。例えば、家賃滞納で居留守を使っているような入居者の場合、合鍵で入室したことを良いことに、「不法侵入だ!訴えてやる!」などと余計なトラブルを引き起こしてしまうかもしれません。

入居者の安否を確認したい場合でも、きちんと正しい手順で入室しなければならないので、以下のポイントを押さえておきましょう。

①安否確認のための準備

 

安否確認のために「入居者の同意を得ずに入室する!」という判断にいたった場合、実際の行動を起こす前にいくつか準備しておかなければいけません。賃貸物件の各居室については、例えその物件の所有者だとしても勝手に立ち入ることはできない決まりになっていますので、事前にその問題をクリアにするための準備が必要なのです。安否確認のための準備については、以下のようなポイントに注意してください。

なお、安否確認が決まった時には、入居者とかわしている賃貸借契約書や合鍵は準備しておきましょう。

■緊急連絡先に立会いの依頼をする
賃貸借契約を結ぶ際には、緊急連絡先を記入してもらっているはずです。多くの場合、ご家族の連絡先が記入されていると思います。安否確認の実行が決まった場合は、緊急連絡先に指定されている方に連絡くし、安否確認の立会いを依頼しましょう。立会いをしてもらえる場合、相手のスケジュールなどを確認し、実行日を決定しましょう。
なお、遠方に住んでいるという理由などで立会いができないケースも多いのですが、その場合は、安否確認で入室すること、安否確認の結果をすぐに報告する旨を伝えておきましょう。

■安否確認を行う人員について
一般的に、賃貸物件の管理業務に関しては、管理会社に全てを一任するという形態が多くなっています。そのため、安否確認なども管理会社の担当者のみで行ってもらえれば…と考える方が多い事でしょう。しかし、可能であれば、物件オーナー様も安否確認の立会いをしておくのが良いでしょう。

■現地を管轄する警察に連絡する
ここまでは、賃貸物件に何らかの関係がある人の準備です。そして、実際に安否確認で入居者の部屋に立ち入るには、警察の立会いが必要になるのです。
したがって、物件の近くにある交番や、その地域を管轄する警察署に連絡し、事情を説明したうえで安否確認の依頼を行いましょう。基本的に、当日の対応などもしてくれるとは思いますが、今すぐ来てほしいなどと言った対応は難しいと思いますので、事前に関係者のスケジュールを合わせておき、その日に安否確認の立会いを依頼するという形が良いでしょう。

②安否確認実行当日

 

安否確認の当日は、現地で警察官と待ち合わせを行い、合鍵などを利用して入室するという流れになるのが一般的です。ただ、場合によっては、現地にそのまま行くのではなく、当日、現場に行く前に交番や警察署に立ち寄るように指示されるケースもあるようです。その場合は、警察の指示通り一度指定の場所に足を運びましょう。

安否確認については、まずチャイムやノックなどを行い、入居者からの返答があるのか待ってみましょう。そして応答が無ければ、持参した合鍵を使って開錠し、警察官を伴って入室してください。その後は、入居者の状況によって適切な対処をする必要があります。

■入居者がいない場合
入居者が部屋の中にいない場合、警察の指示に従ってください。特に、室内にあるものには絶対に勝手に触れないよう注意してください。
そして、入居者の状況を判断するため、部屋の様子を注意深く確認しておきましょう。例えば、その部屋で生活しているような生活感があるのか、それとも長期間部屋に帰ってきていなさそうかなど、部屋の状況を見ればある程度分かるはずです。
例えば、部屋の中に色々な請求書が見られる場合、生活に困窮して夜逃げしてしまっている可能性なども考えられます。もちろん、出張や入院などで長期的に留守にしているだけの可能性もあるので、慎重に状況を判断する必要があります。

なお、夜逃げなどと考えられる場合でも、勝手に荷物の処分などをすることはできませんので、これ以降は強制退去の手続きに進むと考えてください。

■入居者がいる場合
入居者が部屋にいる場合も意外に少なくないです。例えば、健康上の問題などで緊急事態に陥っているわけではなく、困窮などを理由に家賃が支払えなくなり、居留守を使っているだけ…などと言う場合もあるでしょう。
入居者が元気な場合は、なぜこのような状況になっているのか事情を聞いていきましょう。また、今後、このようなことが無いように、管理会社などからの連絡にきちんと応答するように約束してもらいましょう。なお、入居者が倒れている…などと言う場合は、適切な処置をしてください。

まとめ

 

今回は、賃貸物件の入居者と連絡が取れなくなってしまった場合の正しい対処手順について解説してきました。この記事でご紹介したように、突然家賃滞納が始まって、その入居者と連絡がつかなくなった場合、大家さんや管理会社が保有している合鍵によって安否確認を行うというケースが考えられます。しかし、入居者と連絡がつかないからと言って、大家さんや管理会社単独で入室するのは絶対にNGだと考えなければいけません。

この記事でご紹介したように、物件そのものはオーナーの持ち物ですが、賃貸借契約を交わしている限り、居室は入居者の専有部分になってしまうので、合鍵などで勝手に入ってしまうと不法侵入として通報されてしまう可能性があります。さらに、後から「部屋にあったはずのお金が無くなった!」などと言われてしまうなど窃盗の罪を着せられてしまうリスクなどもあるのです。
賃貸物件での安否確認等は、本当に入居者の生命を心配して行うケースもあると思いますが、その場合でも近くの交番に連絡し、警察官に立会いをしてもらわなければならないと考えましょう。

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執筆スタッフ株式会社アイ・ディー・シー広報

株式会社アイ・ディー・シー広報のMです。
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