Mirai Lab.賃貸経営の未来を作るコラム

早期の退去者が多くて賃貸経営が安定しない…代表的な退去理由と退去を防ぐための対策

安定した賃貸経営を進めるためには、何よりも空室対策が重要で、多くの賃貸経営者様は日々、空室を埋めるための対策に頭を悩ませていることでしょう。しかし、本当に安定した賃貸経営を目指すのであれば、空室が生じた時に「新しい入居者をどうやってつかむのか?」よりも、既存の入居者が退去を考えないほど充実した賃貸物件にするということが重要です。

ほとんどの賃貸経営者は、満室経営ができている時には「これでうちの物件は安泰だ!」と安心してしまうものです。そして、退去者が続いてしまってから、やっと「物件に何か問題があるのかな?」などと考え、空室対策を検討し始めるという流れになってしまっています。当然、このような考えで賃貸経営を行っていれば、空室対策を行っている間は家賃収入が入らなくなってしまいますし、さらに空室対策のためにコストをかけなければならないことから、賃貸経営を圧迫してしまう原因となります。
逆に、入居者がいるうちから「できるだけ快適、安全に生活できる環境にする」と言うことを心がけておけば、そもそも退去者が続出するなどと言ったことを防ぐことができますので、家賃収入が途切れることもありませんし、大掛かりな空室対策コストもかかってこないわけです。

つまり、安定した賃貸経営は、「なぜ入居者が退去するのか?」と言う理由を知って、その退去理由を事前に潰しておくということが大切なのです。そこでこの記事では、入居者が早期の退去を選んでしまう代表的な理由と、その対策をご紹介します。

入居者が早期退去してしまう理由は?

 

入居者が物件を退去する理由はさまざまなことが考えられます。例えば、就職や転勤、マイホームの購入など、物件オーナーからしても致し方ないと考えられる退去理由もたくさん存在するでしょう。ただ、こういった明確な理由が無い人に関しては、基本的に退去を考えないのが普通だと言えます。賃貸物件を退去し新たな物件に引っ越すことを考えると、入居している物件の退去費や新たな物件の入居費、さらには引っ越し代や新たな物件に見合う家具購入費など、さまざまなコストがかかってしまいます。つまり、入居者からしても、前述のような明確な理由のない退去は、本来選びたくない選択肢だというのが大前提なはずです。

それなのに、自分の所有する物件で退去が立て続きに起こるようなら、物件そのものに根本的な問題を抱えてしまっていると考えた方が良いです。そして、その問題を放置してしまうと、その後どんどん空室率が上がってしまうと予想できますので、物件の問題をいち早く特定し解消するための対策を検討しなければならないと考えてください。ここでは、入居者が早期退去を選んでしまう主な理由についていくつかご紹介しておきます。

建物や立地に問題がある

 

入居者が早期退去を選んでしまう代表的な理由の一つが「物件そのものに対する不満」です。

賃貸物件を選ぶときには、内覧などを行ったうえで入居するわけですので、物件オーナーからすれば「ある程度気に入ってくれたはずなのになぜ?」と考えてしまう物でしょう。しかし、本当にその物件が自分の希望通りなのかについては、実際に住んでみなければ分からない部分も多々あることから、入居してみて以下のような問題に直面し「ここには長く住めない…」となってしまうケースがあるのです。

  • ・水回りや給湯器と言った設備が老朽化していて、不便に感じた
  • ・内覧した時は静かな環境と思ったけど、住んでみると夜間の騒音に悩んでしまった
  • ・考えていた以上に日当たりが悪く、カビ対策が面倒
  • ・ゴミ置き場がいつも散らかっている、集合ポストが散らかっているなど、物件の管理に不満が

このように、実際に住んでみると、内覧時には気づくことができなかった問題に直面し、物件に不満を感じるようになるというケースが意外に多いです。例えば、物件そのものの築年数に関しては、入居前に納得しているはずですが、実際に生活する時に使用する設備の老朽化や、故障時の対応などが悪ければ、生活を不便に感じてしまうことでしょう。また、毎日目にすることになる、ゴミ置き場や集合ポストなどの共用スペースが乱雑に扱われている場合、「トラブルがあっても対応してもらえないのではないか…」と不安に感じてしまう方が多く早期の退去に繋がる可能性があります。
他にも立地の問題として、周辺からの騒音問題や交通アクセスの悪さなどの問題は、後から我慢できなくなり、入居者の不満につながりやすくなります。

隣人トラブル

 

賃貸物件での退去理由で多いのが、隣人トラブルです。

物件そのものには満足していたとしても、実際にそこで暮らしてみると、近隣住民の行動に悩まされてしまう…なんてケースも珍しくありません。例えば、お隣の住人が、深夜に大音量でTVを見るので騒音に悩まされてしまう…、ペット禁止のはずなのにペットを飼っている住人がいてアレルギー症状が出る、ゴミ出しルールを守らない人がいて悪臭やゴミ置き場が散らかってしまっているなどの迷惑行為に不満を感じ、退去を選択するといった感じです。

近隣トラブルの難しさは、入居者自身がクレームを言いに行くと、さらに大きなトラブルに発展してしまうことも多いので、悩まされている側が我慢せざるを得ない点です。そして、こういった入居者の悩みに関しては、そこで生活している人でなければ把握することが難しく、退去者がたくさん生じて初めて問題行動を起こしている迷惑な入居者がいると発覚するケースがほとんどなのが非常に厄介です。
もちろん、騒音を出している入居者についても、注意しても無視されるなど、迷惑行為が収まらないなんてケースもあるので、一人の迷惑行為で多くの退去者を招いてしまうリスクがあると考えておきましょう。

コスト的な不満

 

物件オーナーからすると驚きかもしれませんが、家賃や管理費など、毎月支払うコストに対する不満も、退去理由になってしまいがちです。

家賃に関しては、特に同じ物件に長く住んでいる入居者ほど、不満に感じてしまいやすくなると言われています。そして、早期退去につながりやすいコストに関しては、2年に1度と言った頻度で発生する物件の更新料の支払いです。更新料は、物件によって差があるのですが、おおよそ家賃0.5~2ヵ月分に設定されている場合が多いです。賃貸業界では当たり前の商習慣のように思われていますが、金額に対する根拠が不明瞭で、更新料の支払いを理不尽に感じてしまう入居者も少なくないと言われていて、更新料をきっかけに退去を選択するというケースも多いです。

賃貸物件で生活する際のコストに関しては、入居前にきちんと説明していることから「ここに不満を持たれても…」と考えてしまう方も多いと思います。しかし、今回の新型コロナウイルス問題のように、入居者の経済事情が一変するようなことがおきてしまうことも考えられますので、コストに関する不満や相談を受けるケースがあるというのは想定しておいた方が良いでしょう。
ちなみに、新型コロナ問題を理由に、退去通告や家賃の減免・遅延交渉、滞納の相談などを経験した賃貸経営者はかなり多いと言われています。

自信があるから公開します

当社管理物件の驚異の入居率

94.29%
1月
94.67%
2月
97.51%
3月
96.51%
4月
95.52%
5月

当社管理物件の入居率を見る +

入居者の早期退去を防ぐには?

 

それではここから、上記のような理由で早期退去を選ぶ入居者をできるだけ減らすための対策について、理由別にご紹介していきましょう。

なお、自分の所有物件について「どのような対策が必要になるのか?」については、退去者アンケートをきちんと貰える体制を作っておくのが有効です。と言うのも、入居者が「どのような不満を抱えているのか?」について、管理会社や大家さんが逐一把握しておくことはなかなか難しいものです。そもそも、既存入居者がどんな不満を感じているのか明確にすることができていれば、早期退去などに悩むことはなくなるはずですよね。それなのに、一定数の物件オーナー様が入居者の早期退去を防げていないのは、入居者の不満を認識するのが難しいからなのです。

そこで、入居者が抱えている不満をできるだけ早くつかむために役立つのが、退去時のアンケート調査です。退去理由は、人それぞれなのですが、実際に居住していた入居者の意見をダイレクトに得られる機会ですので、入居者の本音をきちんと聞き出すことができるように工夫しておきましょう。例えば、きちんとアンケートを回収するため、解約通知書とセットするとか、退去の立会い時に回収するようにする、回答しやすいように「はい・いいえ」で答えられるように質問を工夫するなどがオススメです。

ここでは、アンケートなどから退去者が抱えていた不満が判明した時、その不満を解消するための対策について簡単に解説しておきます。

物件そのものに対する不満について

 

まずは、物件そのものに対する不満です。この問題については、新築したばかりの物件などであればあまり考えられないのですが、築年数がある程度経過した物件の場合、オーナー様が「築年数が経過しているのだから、ある程度の劣化は仕方ない!」などと開き直っている場合に多いです。実際に、オーナー側は、経年劣化に応じた柔軟な家賃設定に対応していると考えていたとしても、入居者側は「物件の不備を考えると家賃が高い…」と納得していないケースも多いのです。
したがって、アンケート調査などから、物件そのものや設備に関する不満が大きいと感じられる場合、以下のような対策を検討しましょう。

■建物の修繕や設備の更新
どのような建物であっても、年月を経るごとに劣化が進行してしまうものです。そして、築年数が経過して、建物や設備が老朽化していけば、入居者の利便性が低下したり、安全性も低下してしまうようになります。したがって、入居者が不満を抱えずに生活できるようにするため、建物のメンテナンスや設備の更新はきちんと実施するようにしてください。

そもそも、賃貸人には、賃借人が安全で快適な生活ができる場を提供する義務が存在していて、さらに2020年4月以降は、賃貸物件のメンテナンスを怠ってしまい、設備などに不具合が生じて入居者に不便を強いてしまうと、その分の家賃を減額しなければならないという法改正が行われています。これに関しては、民法改正関連の記事でご紹介していますので、そちらをご参照ください。
物件側が、適切なメンテナンスを行っていけば、物件そのものに入居者が不満を抱えにくくなりますので、早期退去を減らすことができるでしょう。

■物件の付加価値を高める
現在の賃貸業界は、圧倒的な借り手市場と言われており、本当に小さな不満が退去に繋がってしまうこともあります。これは、あなたが所有している物件と競合になる物件がそこら中に存在していることから、常に退去におびえなくてはいけないような時代になっているからです。さらに、スマホやパソコンを利用すれば、どこにいても物件探しが可能な時代ですので、少しの不満を感じただけでも、近くの物件を探されてしまうような時代になっているのも大きいです。

したがって、退去者を出さないようにするということを考えると、競合物件にはない『自分だけの魅力』をつけるという方向で物事を考えるのがオススメです。例えば、周辺に「ペット可」物件が無いのであれば、ペット可物件にするだとか、最近人気のDIY可能物件にするなど、物件そのものに付加価値をつけて、ちょっとの不満では退去を考えないような条件にするという方法もあります。

関連記事:所有物件で賃貸設備が故障!民法改正で「賃料減額」が当然になったというのはご存知でしょうか?

隣人トラブルに対する不満について

 

アパートやマンションなどの集合住宅は、非常に近い位置に各入居者の生活空間があることから、さまざまな隣人トラブルが起きてしまう可能性があります。もちろん、悪意があってトラブルを引き起こしているわけではないケースも多いのですが、中には注意しても生活態度を改善させないような迷惑な入居者も存在します。
そして、そういった迷惑行為を行う入居者には注意しなければいけません。と言うのも、騒音や共用スペースを汚すなどと言った迷惑行為に関しては、一人の入居者だけが不満に感じるのではなく、多くの入居者が迷惑に感じているケースも考えられます。つまり、一人の迷惑行為を放置することで、その他の入居者全員が一斉に退去してしまうといった恐ろしい未来が待っているかもしれないのです。

こういった隣人トラブルに関しては、以下のような対策を打ちましょう。

■物件内でのルールを明確にする
ライフスタイルは人それぞれなのですが、小さな迷惑行為でも、それを放置すると大きなトラブルにまで発展してしまう恐れがあります。例えば、騒音問題やゴミ出しマナーなどがあげられるでしょう。

集合住宅での騒音トラブルは、小さなお子様が大声をあげる、部屋の中で走り回るといった親が注意すべき事例もあるのですが、他にも洗濯機や掃除機などを深夜や早朝に使用するといった、ライフスタイルの違いが原因となってしまうものも存在します。他にも、ゴミ出しの曜日を守らないことから、生ごみをカラスが荒してしまい、物件周辺が散らかる…悪臭が長引くなどと言った問題も良く生じます。

このようなライフスタイルの違いやマナー違反に関しては、入居者トラブルにつながり、まともな入居者の退去にまで発展する大問題と考えておくべきです。したがって、こういった問題を避けるために、物件での生活に関する明確なルールを設けておくのが良いです。例えば、「回収当日の朝以外にゴミ出しをしてはいけない」「早朝や深夜に掃除機・洗濯機を使用してはいけない」などです。契約書などに、こういったルールが明記されていれば、迷惑行為に不満を感じた人も、管理会社などに通報しやすくなりますので、退去を選ぶ前に対処することが可能になるでしょう。ルールが設けられていなければ「我慢すべきなのかな…」と考えてしまう人も意外に多く、いずれ我慢の限界に達してしまい、自分が退去することを選ぶといった最悪の未来につながってしまう恐れがあるのです。

■入居審査は厳しく
空室が生じた時に、「とにかく早く空室を埋めたい!」と言う視点で入居者募集を行うと、入居審査の基準が甘くなってしまい、トラブルを引き起こすような問題のある人を選んでしまうことになります。誰でも簡単に入居できるような物件は、入居者間トラブルを招きやすくなると言われていますし、トラブルメーカーが入居してしまうと、長く住んでくれていた優良な入居者の退去に繋がってしまう恐れもあります。

したがって、入居審査時には、きちんとマナーやルールを守れそうな人なのか、騒音問題を引き起こさないか、家賃滞納などの心配はないかなど、厳しくチェックするのがオススメです。入居者のライフスタイルや属性をある程度統一しておくと、入居者同士のトラブルが少なくなる傾向にありますので、しっかりと審査を行っていきましょう。

コストに対する不満について

 

最後は、コストに関する不満についてです。賃貸経営は、収益を出すことを考えて行っているわけですので、物件オーナーからすれば、家賃や管理費はできるだけ高く設定したいと考えるものですよね。しかし、物件に見合わない家賃設定になってしまうと、入居者の不満が溜まっていく一方で、退去に繋がってしまいます。空室が生じれば、家賃がいくらに設定されていようと、収入は0になるのですから、損でしかありませんよね。

さらに、賃貸経営の難しいところは、家賃や管理費について、自分の物件のことだけを考えて決められないという点です。上述していますが、少子高齢化が進んでいる現在、賃貸業界は借り手市場になってきており、競合物件との関係性を無視して家賃や管理費、入居費用などを決めることができない時代になっているのです。例えば、自分の所有している物件の目の前に、後から新築のアパートが建築される…なんてことも当たり前におきますし、そうなると、競合物件に対抗するため、物件に付加価値を付けるか、家賃を下げるなどと言った対処をしなければならなくなります。つまり、賃貸経営を行っていくときには、周辺に存在する、自分の物件と「競合する」と考えられる物件について、常に条件を比較しながら家賃などを設定していかないといけない時代になっているのです。

特に近年では、敷金・礼金0円など、入居時に大きな初期費用がかからない物件が増えていますので、入居者が引越しをためらわない傾向が強くなっています。そのため、更新費用がかかるタイミングなどで、新しい物件に引っ越しを検討するなんてことが多くなっているのです。

こういったことから、現在の賃貸経営は、競合物件や賃貸業界全体の動きを常に把握しておき、入居者に不満を持たれないような条件に柔軟に切り替えていける体制を作っていくことが大切になります。

まとめ

 

今回は、賃貸経営者なら誰もがおさえておきたい、入居者が早期退去を選択する理由と、退去を防ぐ為の対策について解説してきました。賃貸住宅ですので、入居者がある程度入れ替わる事は当たり前のことだと言えるのですが、せっかく入居してくれた人が、1年などの短期間で退去されてしまうと、家賃収入が途切れてしまうだけでなく、新たな入居者を獲得するためのコストまでかかってしまい、賃貸経営を圧迫されてしまうことになります。

賃貸経営の安定は、やはり一度入居してくれた方が、出来るだけ長く住んでくれるということが重要になりますので、この記事でご紹介した内容は絶対におさえておいた方が良いと思いますよ。

  • 空室対策
  • 賃貸経営
  • 家賃設定

人気記事でのセミナー開催中

お気軽にお問い合わせください!
開催中のセミナーはこちら

執筆スタッフ株式会社アイ・ディー・シー広報

株式会社アイ・ディー・シー広報のMです。
当サイトのコンテンツにつきましては在籍のCPM米国認定不動産経営管理士、不動産コンサルティングマスター、賃貸不動産経営管理士、宅地建物取引士、相続支援コンサルタント、住宅ローンアドバイザー、ファイナンシャルプランナーの監修のもとで質の高い情報をお届けできるよう、日々更新しております。

  • TOP
  • ブログ
  • 早期の退去者が多くて賃貸経営が安定しない…代表的な退去理由と退去を防ぐための対策 | 株式会社アイ・ディー・シー