Mirai Lab.賃貸経営の未来を作るコラム

賃貸経営者がおさえておきたい、所有物件が行わなければいけない法定点検とは?

アパートやマンションなどの賃貸物件を所有している方にとって、日々の業務と言えば「どのようにして空室を埋めるのか?」「現入居者の満足度を上げるためには?」と言った売り上げに関することがメインになると思います。しかし実は、賃貸経営者にとって忘れてはいけない業務として、法律で定められている物件そのものに対する各種点検業務と言うものがあるのです。もちろん、法律で定められている法定点検に関しては施設の規模などによって対象にならないケースもあるのですが、自分が所有している物件がどのような点検をどういった頻度で行わなければならないのかはしっかりと押さえておくべきでしょう。

なお、今の時代、賃貸物件を所有している方であっても、物件の管理業務などは全て管理会社に委託しているというケースも多くなっています。そのため「法定点検などは管理会社が勝手にやるだろう!」と考えてしまう方が多いのですが、点検を始めとする物件の管理義務については、所有者にあるわけですので、どういった点検をしなければならないかぐらいはおさえておかないといけないでしょう。

そこでこの記事では、賃貸物件に義務付けられている法定点検はどのようなものがあるのかをご紹介していきます。

集合住宅は各種点検を法律で義務付けられている

 

アパートやマンションなどの集合住宅は、多くの人間がそこで生活することになるため、常に入居者の安全を確保しておかなければいけません。そして、安全性がきちんと確保できているのかを確認するために、さまざまな点検業務が法律で義務付けられています。冒頭でご紹介したように、現在の賃貸業界は、物件の管理業務全般を専門の管理会社に委託するというのが一般的になっています。例えば、日々の物件周りの清掃を始めとして、入居者募集業務や契約業務、家賃の回収業務等、さまざまな業務を管理会社がオーナーに代行して行っています。そして、各物件で必要になる法定点検に関しても、オーナーに変わって準備や手配をするということになっていると思います。

法定点検と言うものは、法律で義務付けられている点検ですので、決められた期日までに点検を行い、所定の機関に報告をしなければいけません。万一、期日までの点検や報告を怠ってしまうと、物件の所有者が罰則を受けることになりかねませんし、さらに最悪の場合、点検を怠ったことによって物件で何らかの事故が起きてしまうと、入居者の安全を損ない、その責任を所有者もしくは管理者が問われてしまうことになります。例えば、所有物件で火災が発生した際に、管理不備が疑われてしまい、消防点検などの法定点検が行われていなかったことが発覚すれば、「予見できていたはずの事故を防げなかった」と認定され、不法行為の責任が問われてしまうことになるでしょう。

さらに近年では、全国各地で老朽化した建物において、外壁材が剥がれ落ちて通行人を危険に晒してしまう…と言った事例が数多く起きています。そのため、10年ごとの外壁全面打診調査が義務付けられていて、各地方自治体からも以下のような注意喚起が発出されています。

大阪市:外壁等の落下防止対策のお願い
東京都:天井・窓ガラス・外壁タイル等の落下防止対策について

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アパートやマンションが行うべき法定点検とは?

 

それでは、アパートやマンションなどの賃貸住宅が行わなければならない法定点検の種類もご紹介しておきましょう。なお、法定点検は、物件の規模などによって必要なものが変わりますので、以下で紹介する点検業務が全ての物件に必要な訳ではありません。

消防設備点検

 

アパートやマンションは、消防法で定められている「非特定防火対象物」で、以下の消防設備が設置されている場合、有資格者などによる点検を行わなければいけません。

  • ・消火器具
  • ・誘導灯
  • ・漏電火災警報器
  • ・火災報知設備
  • ・屋内消火栓設備
  • ・屋外消火栓設備
  • ・避難器具
  • ・非常警報器具
  • ・消防用設備用自家発電設備
  • ・動力消防ポンプ

なお、非特定防火対象物における点検については、3年に1度の報告が必要とされています。ちなみに、入居者の中に特定防火対象物の対象となる用途のテナントが入っている場合、消防署への報告は1年に1度になるので注意してください。

消防設備の点検については、点検を行うものの所有資格によって点検できる設備の種類などが変わってくるなど、なかなかややこしい面もありますので、専門家に確認したうえで行うようにしましょう。

水道設備・下水道の点検

 

次は、水道設備や下水道の点検です。物件によっては、受水槽や高架水槽により給水を行っている場合がありますが、このような場合、受水槽・高架水槽の清掃をきちんと行い、水質の検査や水槽の点検などを決められた頻度で行い、検査結果などを保管しておく必要があります。この点検については、容量が10立方メートル以上の場合に適用されます。
ちなみに、清掃・点検・水質の検査については、年に1回以上と決められていて、簡易専用水道検査機関による検査が必要と水道法にて定められています。なお、前述のような水質の定期検査に加えて、各自治体の水道事業者からは、毎日の水質(濁りやカルキ臭)の目視検査や、定期的な残留塩素測定などを行うように指導されています。

下水道については、物件によります。地方都市などで公共下水道が整備されておらず、汚水排水設備として浄化槽が設置されている場合、所有者には、浄化槽の点検・清掃・水質検査などが浄化槽法で定められています。この場合、以下のような業務が義務となります。

  • 1. 新規設置の場合は設置後3ヵ月~5ヵ月の間で水質検査
  • 2. 継続使用の浄化槽は1年に1回の清掃と水質検査
  • 3. 3ヵ月ごとの保守点検

なお、浄化槽の点検・清掃・水質検査は、それぞれの専門業者や検査機関に依頼しなければいけません。

特定建築物および建築設備の定期検査

 

アパートやマンションは、建築基準法上、共同住宅に分類され、特定建築物に該当します。そして、特定建築物は、各自治体が対象となる建築物の規模や報告頻度を定めています。特定建築物の定期検査は、非常に多岐にわたる項目があるのですが、代表的なものを以下にご紹介しておきます。

  • ・敷地および地盤
  • ・建築物の外部
  • ・ 屋上および屋根
  • ・ 建築物の内部(高齢者や障害者用以外の住戸は除く)
  • ・避難施設

更に、「換気設備」「排煙設備」「非常用照明器具」「給水設備や排水設備」などの建築設備に関しても定期検査が必要になります。

これらの検査について、専門の有資格者が点検を行わなければならないとされています。

エレベーターの定期点検

 

エレベーターが設置されている集合住宅の場合、定期点検が必要です。

エレベーターの定期点検は、年に1回以上と定められています。エレベーターの操作盤付近には、必ず「定期検査報告済証」が貼られているのを見かけると思いますが、これが定期点検を行っている証拠になりますね。

エレベーターに何らかの不備が生じてしまうと、人命にかかわる重大事故につながってしまうことから、エレベーターが設置されている施設は、定期点検が欠かせないと考えておきましょう。なお、点検業務については、一級建築士および二級建築士と昇降機検査資格者が行うことができるのですが、一般的にはエレベーターのメーカーなどと保守契約を結び、定期的にメンテナンスと点検を行ってもらうようにする施設がほとんどです。

まとめ

 

今回は、アパートやマンションを所有している方が知っておきたい、法定点検の種類についてご紹介してきました。アパートやマンションなどの集合住宅は、不特定多数の人が出入りする施設になりますので、こういった建物で不備や不具合が放置されてしまうと、大規模火災につながってしまうなど、大事故につながりかねません。実際に、過去には消防設備の不備から住人が逃げ遅れてしまう…と言った不幸な事故がたくさん発生していますし「自分の物件には関係ない」とは決して言えないことだと思います。

賃貸人は、賃借人が安全にそこで生活できるようにする義務がありますので、さまざまな点検業務が法で定められていると考えておきましょう。

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執筆スタッフ株式会社アイ・ディー・シー広報

株式会社アイ・ディー・シー広報のMです。
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